ブランド 【1】

2008.08.01

営業・マーケティング

ブランド 【1】

猪熊 篤史

企業や製品・サービスの個性について考えてみたい。

自社の運営において、また、自社で運営しているビジネス講座などにおいて、マーケティングの権威であるフィリップ・コトラー教授の理論(マーケティング・マネジメント)をほぼ忠実に取り入れている。

コトラー教授の700ページを超えるテキストは、実務において共感できる説明が多い。また、直感的に受け入れられなくても、注意深く読み返すことによって、新しい視点や切り口を与えてくれるものが多い。様々なマーケティング理論を取り入れてマーケティングを総合的に解説するコトラー教授の功績に対してマーケティングの権威と呼ばれることに疑いの余地はない。

しかし、コトラー教授の説明は1点だけ、私にとって直感的でなく、また、理解が困難な重要な項目を含んでいる。それが「ブランド」についての説明である。

コトラー教授は2005年に新しい形態のテキスト「マーケティング・マネジメント」を出版した。これはブランドマネジメントの権威であるケビン・ケラー教授との共著となっている。ケラー教授による最新のブランド理論では、ブランドは、消費者によるブランドの知覚から始まって、認知や理解を経て共鳴を呼ぶという順番でブランドが築かれると説明さている。その過程にあるもの全てがブランド、あるいは、ブランド価値を構成すると考えられる。

私のブランド価値についての理解は少し異なる。ケラー教授の理論と少し違った順番でブランドは構築されるのではないかと考えている。

ブランドを構成する第1の要素は、その外見である。特性や特徴と呼ぶこともできるであろう。製品がどの様な形をしているか、どんな色でどんなデザインかということが重要である。サービスであれば、それがどのように(表面的に)見えるか、感じられるかということが重要になる。

第2の要素は、製品やサービスの機能である。ラジオなのにCDが聴ける、携帯電話なのに写真がとれる、新幹線が時速500キロで走るなど、製品やサービスの効果あるいは効率を表すものである。

第3の要素は、製品やサービスの特徴や機能とそれらを活用するユーザーや消費者のニーズとの適合性、あるいはユーザーや消費者が見出す価値である。

そして第4の要素が、メッセージであり、また、コミュニケーションである。 (次回に続く)

【V.スピリット No.88より】

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