パートナー、共演者、上司、監督、スポンサーとしてのお客様について引き続き考えてみたい。 【最終回】
「人は誰でも良い仕事、創造的な仕事をしたいと思っている」という性善説的な観点で考えれば、人は自発的に働くことになる。そんな個人の集合体である企業も同じである。企業は価値ある仕事をするために日々創意工夫、思考錯誤を繰り返す。
顧客は「スポンサー」である。
人の活動、その集合体である企業の活動も、客観的には非常に小さな活動であることが多い。数千人、数万人の社員を抱える大企業グループは別だが、それでも、大規模な企業グループも初めから大規模な活動をしていた訳ではない。小規模な活動としてスタートした時期が必ずあるだろう。
人は一人一人皆個性的ではあるが、一方で、人はそんなに他者と変わるものではないかも知れない。「人の役に立つ」、「社会に奉仕する」、「人類の発展に貢献する」など、高い志を立てても、そのような思いを抱く多くの人々の活動があって社会が成り立っているようである。
高い志を掲げても、実際に行動して実現するためには強い力が必要である。それが、資質によるものなのか、努力の積み重ねによってもたらされるものなのかは分からないが、何か強い動因が必要である。
自社の製品やサービスがオンリー・ワンだと思っている経営者は多い。しかし、客観的には他社とどこが違うのか分からないことがある。専門外、興味・関心の低いものごとについては、なおさらである。他者が違いを認識することは非常に困難になる。
経営者に限らず、人はそんな混乱と矛盾の中で生活している。大志を実現するには、非常に小さな活動の積み重ねとそのような活動の継続が必要である。才能や適性も考慮する必要があるだろう。
大志・大望を抱く経営者・経営陣とその周りに集まる社員による企業活動を支援するのは株主であり、顧客や取引先である。
企業の活動は、株主からの初期投資、売上という形で実現する顧客からの資金提供、取引先の販売促進によってもたらされる売上を原資とする資金、あるいは、従業員や取引先から供給される安価で貴重な原材料や労働サービスによって支えられる。企業は、このような「スポンサー」なしに成長・存続することは出来ない。
企業の活動に対して最も明確で分かりやすい支援活動をするのは顧客である。
企業の大志・大望は、客観的には大きな差のあるものではないかも知れないが、企業の大志・大望を支えるのにたる支持や支援を得られれば十分である。
支持の大きさは企業が抱く大志・大望の価値を計る尺度にもなる。経営者、経営陣、あるいは、企業に対する支持の大きさは、売上、利益、成長率、資産、株価などによって推定することが出来る。
企業は競争の中で大志・大望の価値を日々確かめ、評価し、再評価して活動を続ける。顧客からの支援が続く限り、企業活動に終わりはない。
【V.スピリット No.44より】
V.スピリット総集編3
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