価格戦略について考えてみたい。価格が意味するもの、価格が伝えるものについて思いをめぐらせてみたい。
価格は比較的簡単につけかえることができる。正当な理由があれば利幅の範囲内で、ほとんど負担なく価格を変更できる。価格変更にかかる費用は「メニューコスト」と呼ばれるような価格を表示した価格表を新たに作成・印刷するためのものくらいである。表面的にはこのように思えるのだが、価格戦略は経営の根幹にあるようである。
価格が反映するものはなんだろうか?別の言い方をすれば、価格はどのようにして決まるのだろうか?
価格を決定するのは「コスト」である。価格を決めるのは広い意味の費用である。
製造業におけるコストが最も分かりやすいだろう。製造する製品の原材料の価格が主な費用になる。車を作るのであれば1台分の鉄の価格や、部品、器具、シートやタイヤの仕入価格が費用となる。その他、製造スタッフの人件費、工場設備を稼働させるための光熱費、工場の機械設備に対する投資(減価償却費)なども費用となる。必要な設備の調達や運転資金のための借入金に対する利息や投資家に対する配当の原資となる必要な利益も広い意味でコストである。
価格 = コスト である。
価格は社内におけるコストの見積だけで決まるものではない。消費者の認識や知覚、競合他社の製品価格、経済情勢など市場の環境や見通しの影響を受けて決まる。しかし、最終的に決まる価格は「コスト」でしかない。
価格は、コストの選択によって決まる。それは製品戦略であり、マーケティング戦略、組織戦略、運営管理上の戦略、そして全社的な経営戦略の問題である。
コストの選択とは、製造する製品、提供するサーピスの内容、機能、品質、価値を決めることである。また、対象となる顧客を選ぶことでもある。それらは顧客に対する販売方法や広告など訴求方法の計画と切り離して考えることはできない。
価格戦略は、コストの選択であり、経営戦略そのものである。
【V.スピリット No.49より】
V.スピリット総集編3
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