「分析します!」「分析ばかりしていては駄目だ!」「分析が足りないんだ!」といったセリフが、プランニングの部門や、経営寄りの役職にある人間の間では飛び交っています。しかし、分析とは何でしょうか?何のためのものなのでしょうか?
分析という言葉を使って、数字をこねくりまわす人もいます。少ししか無いデータをそれこそあらゆる角度から何かを見出そうとして。私はその努力に感心することがあります。
逆に、概念的な枠組みを使って、定性的にやる人もいます。こういう人を見ると、スマートで要領がいい人なんだな、と私は思います。
いわゆる、多変量解析手法を使って、因子分析や主成分分析などを使ったりするのが、前者で、SWOT分析などのフレームワークを使って定性的に記述する人々が後者でしょうか・・・。
まあ、分析と名前が付いている方法で数字をいじくるのも、概念的な枠組みを使って、定性的なほうに偏るのも、どちらもなんとも言えませんけどね。
分析ってなんでしょう?といって、辞書の定義をひいて、言葉遊びをするのも、無意味です。たまにそういう管理職の人も見かけます。先日、こういう語りをする方に出会いました・・・。コンサルティングの人間としては、「だから何?」と心の中でつぶやきながら、営業スマイルをついしてしまいます。
ただ、本当に大事なのは、こういう不毛な活動、意味不明な分析と称する出来事によって、企業のキャッシュが垂れ流されているということです。チョロチョロと流れ出しているならまだいいですね。ドバドバと、濁流のように流れ出していたら、経営者としては気が狂いそうになりますよね。
より正しい概念が導入されないと、いわゆるスタッフ部門の経費は垂れ流しになり続けるということですね・・・。気が短い社長はスタッフ部門なんていらねえ!とせっかく作ったのに、つぶすということを繰り返します・・・。
私が思うのは、結局、どんな意思決定、どんなアクションのための分析なのか?というところが一番大事だということです。
もっと柔らかく言うと、何を決めて、何をどうやるための分析なの?というところが大事、といったところでしょうか?
前にも書きましたが、考えるというのは、「関係性を発見し、検証する」こと、だと思います。
多変量解析手法は、数字を入れれば、要素間の関係性をコンピュータが計算して、関係性を検証してくれます。
データマイニングでも同じようなものです。大量にデータがあれば、関係性を発見してくれます。
人間が考えることを補ってくれる面があるんですね・・・。
SWOT分析は、内部の強いところ、弱いところ、外部にある脅威と機会を見たうえで、今後何をすべきか?を考えるフレームワークですよね。強み、弱み、機会、脅威の4つの要素が、だからこのアクションをすべき!というアクションと、きれいにつながる、関係性が明瞭に分かるということが、ゴールですね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。