SWOT分析を本質的に捉えてみる・・・

2008.07.23

経営・マネジメント

SWOT分析を本質的に捉えてみる・・・

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

SWOT分析を知らないビジネスパーソンはもはやほとんどいないのではないでしょうか?強み、弱み、機会、脅威に分けて環境分析を行うことはもはや当たり前ですね。でも、なぜそれを考えるかわかります?これがMECEな理由は?と問われて即答できますか?今回はSWOT分析について深く考えてみようと思います。

 「当社の強みは、20代の女性からの強い支持を受ける商品を多く保持していることです。」

 「当社の脅威は、B社がシェアを伸ばしていることです。」

 こういった言い方は会議では当たり前にありますよね。前提としているのはSWOT分析と言う枠組みです。

 強み、弱み、機会、脅威、に物事を分けて考えるフレームワークですよね?

 で、これはMECEですか?と聞かれて、即答できますか?

 どんな枠組みで考えたときに、この4つの視点が出てきているかわかりますか?

 結論をすぐに言ってしまいますと、内部リソースと外部環境という軸と、ポジティブ面とネガティブ面という軸でマトリクスを創っているんですね。

 内部リソースのポジティブな面は「強み」ですね。

 内部リソースのネガティブな面は「弱み」。

 外部環境のポジティブな面は「機会」。

 外部環境のネガティブな面は「脅威」。

 知っている人にとっては、当たり前のお話しですね。環境を内部と外部に分ける、自社にとってポジティブかネガティブかで分ける、だからMECEなんですね。

 ただ、この4つを記述しただけでは、ただの分析ですね。現状を記述したに過ぎません。で、何するの?どうするの?という問いに答えるにはちょっと距離があります。

 で、意味合いを考える時に、縦軸に、強み、弱みを記述して、横軸に機会を脅威を記述した上で、再度、マトリクスを作ります。

 すると、

 自社の強みから見た、外部環境の機会の意味合いを考える枠と、

 自社の強みから見た、外部環境の脅威の意味合いを考える枠、

 自社の弱みから見た、外部環境の機会の意味合いを考える枠、

 自社の弱みから見た、外部環境の脅威の意味合いを考える枠、

 の4つが考えられますね。

 この4つの枠の意味合いを、うーんうーんと頭を捻って考えます。

 そして、この4つの枠を埋めた上で、自社の強みを活かしつつ、自社の弱みがカバーされつつ、外部の機会を活かしつつ、外部の脅威を排除するような方向性を抽出していきます。

 そうすると、最適なリソース配分、ポジショニングが導き出されてきますよね・・・。

 リソース配分とポジショニング?

 どこかで聞きましたね。

 そう、これは戦略です。

 これは戦略策定、つまり持続的競争優位を保持するための打ち手の束を考えるための1つのアプローチであるんですね。

 まあ、内部環境で問題になるのはリソースだし、外部環境で問題になるのはポジションの取り方ですからね・・・。

 さらっとアプローチだけ書いてますけど、実際に考えようとすると、なかなか難しい、枠がなかなか埋まりません。そりゃそーですな。だからこそ、私たちのようなコンサルタントがいるんです。

 話しを元に戻すと、こういったつながりの中で、SWOT分析を理解すると、ちょっとだけ戦略的?ですよね。
 
 せっかく巷にあふれている経営コンセプトです。経営者の皆さん、部屋に篭って自社の経営に活かすには?という論点を2~3時間、考え抜いてみてはいかがでしょうか?

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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