ターゲットのセグメンテーションはしっかりして下さい。自社がターゲットとしているお客さんにどんな違いがあるか?の認識からで充分なので、して下さい。でも、リソースのセグメンテーションをする前にちょっと考えてみてください。
例えば、FAXを売っている部署があったとしましょう。芸がありませんが、FAX部という名前だったとします。
そして、FAXがすごくたくさん売れたとします。人員を増やしてみて、ちょっと部員を見切れないから部を2つに分けよう、若手にリーダーをやらせてみよう、というお話しはよくありますね。
FAX第一部、FAX第二部とか、そういうふうに分かれたりします。
別にリーダーがいてもいいですけど、この第一部と第二部のコミュニケーションが疎遠になったりすることは、非常によくない事態です。
なぜだか分かります?
そりゃ、同じお客さんを対象にしているからですね。お客さんの情報のシェアは、会社の活動を改善するためのヒントになりますので、コミュニケーション密度をある程度高くしておかないと、なかなかシェアされません。
部が分かれたから、席も離してしまうとか、ミーティング頻度が減るとか、そういうことがあると、内部的にリソースを分けたせいでの非効率が起こり始めるんですね。
そして、お客さん対応でも、部を分けることでデメリットを生み出してしまう場合があります。
部が分かれたから、電話番号も2つにして、ホームページにも2つの部を掲載して、窓口を2つにしよう、としたとします。
お客さんは、この2つのどちらにかければいいの?という疑問を持ちますよね。
こんなくだらないことでお客さんに疑問を持たせるとどうなるか?問い合わせが減り、商談機会が減りますね。
たまに、分けたことを正当化するために、FAX1部は、電話と一体型、FAX2部はパソコンと一体型を受け持とう、と部門を分けてから担当することを分けてみたりします。
実際には、別に両方の部にいる人は、両方の業務ができたとしても、分けてしばらくたつと、それぞれが担当したことしかできなくなっていたりします。
お客さんの目的は、情報を送ることで、その手段としてのFAXですよね。それがどんな機器とくっついているか?はクリティカルな問題ではありません。
その結果、どうなるかと言いますと、たいてい2つの部のセクショナリズムでお客さんの本当のニーズへの対応が片手落ちになります。
1つの顧客セグメントに対して、リソースを自社の都合でセグメントしてしまう悪い例ですね。
例えが極端なので、「こんなバカな・・・」と思うかもしれませんが、意外と多くの企業で同じようなお話しが見られます。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。