トクリュウ事件の実行犯が騙される理由

2024.12.26

ライフ・ソーシャル

トクリュウ事件の実行犯が騙される理由

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

ほぼ確実に捕まり一生を棒に振ることになる、トクリュウ事件の実行犯。こんな損な役回りを引き受けることになる理由は2つしかないと小生は考える。

と、それぞれのステップごとに逃げる機会と理由が明白にある。少し頭を使えば「この話に乗るとヤバイ」と気づくはず。ましてや、実行犯の大半は報酬をもらっていないケースが続出していることも最近は報道されている。

でも彼ら実行犯は指示された通りに強盗を実行し、すぐに足がついて捕まっている。指示役以上の連中は、「使い捨て」の消耗品に過ぎない実行役が逃げおおせるようにまでは考えてくれていないからだ。

捕まった実行犯はもうまともな就職はできないだろうから、一生を棒に振ることになる。ましてや被害者が大けがを負ったり死亡したりすれば、初犯でも懲役10年以上、下手をすると20年以上とか食らう。これほど損な役回りを(好き好んでとは言わないが)結局引き受けることになる理由は、大きく分けて2つしか考えられない。

1つは徹底的に情報弱者で思考能力が劣っているというケースだ。新聞・雑誌を読まず、テレビでニュースも観ない。スマホで自分の好きな情報やゲーム等にしか触れていない。そのためこうした「トクリュウ」に関する知識がなくて、まんまと騙される、という具合だ。

もう1つは、実は最初から犯罪だと覚悟している確信犯であるケースだ(こちらの割合は実態的には半分以上、と小生は個人的に思っている)。とにかく目先のカネに困っていて「悪事でも構わないからカネが欲しい」という捨て鉢な感情が底にあり、第1~4ステップのいずれでも「そうだろうな」と薄々気づいていながら前のめりに実行し、「報酬を受け取れない」という事態だけは想定していないのだ。

この連中は逮捕された後、罪を軽くしたい思いから「騙された」「脅されて仕方なかった」と言い訳をしているのだ。つまり本当に「騙された」のは、報酬を受け取っていないという点だけなのだ。いずれ取り調べや裁判で明らかになるだろう。
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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。                     ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/                 ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/     

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