まず、沈没船なのかを読者の皆さんが判断いただく材料(データ)を前半で提示します。 後半は、私が見続けている現場・現実から、私が今の組織が抱える課題を組織と人材の観点から 課題と処方箋を提案しています。 ここから皆さんの日常に小さなチャレンジが生まれたら素敵だと思っています。 まだ諦めていない方が多いことを願っています。
そして企業の社員に対する人材育成投資はというと
「GDPに占める企業の能力開発費の割合の国際比較(2010~2014)」から、
アメリカ:2.08%、フランス:1.78%、ドイツ:1.2%、イタリア:1.09%、イギリス:1.06%、日本:0.1%となっている。
この結果から明らかなように個人も企業も自他ともに人材成長に投資しない国になっている。
沈没船として世界から取り残されているのは国ではなく、成長しない、する気がない国民なのではないかと不安を覚える。
■処方箋
ここからは私の現実のコンサルティングやセミナーの現場からの考察になります。
◇個人編
結論を言えば、「自己投資を増やして成長しましょう」ということになる。学校教育において一方的なティーチングにならされている日本人は、受け身の学びしか経験則がない。その結果が惨憺たる今を創り出している。
【インプットを増やす】
私は今でも日本人は潜在的には優秀だと信じている。しかし、セミナーやセッションを行う
たびに、あまりの出来の悪さに頭を抱えてしまう。
例えば、下記のような表現が当たり前のように出てくる。
「リーダーとして目標を共有しマイルストーンを明確にしながら確実に達成する」
かろうじて日本語としては成立しているものの、まったく意味不明な文章。日本企業では、こんな表現やプレゼンがまかり通っている。
毎度のことながらこのような曖昧な文章や表現に山のように質問が浮かぶ。
・「目標」とは何か?
・「共有」とは具体的にどうするのか?
・「マイルストーン」とは何か?
・「明確に」とは何をどのような方法で行うのか?
・「確実」なぜそのようなことが言えるのか?
・「確実に達成」どのような方法で?
そして実際に上記の質問をしたとしよう。するとまた同種の抽象的な回答が返ってくる。
つまり具体策がまったく創出できていない。それをごまかすために言葉を飾り、抽象論で胡麻化そうとする。そんな対応が習慣化している。
なぜ、このようなことが常態化するのか。結論はこれまでのデータが示しているように、学習(インプット)不足。
結果、私の口癖は「より良いアウトプットはインプットの量で決まります」となる。学習量が少なければ良い発想やアイデア生まれない。学習しない人が素晴らしいアイデアを連発出来たら、それは天才です。
重要なのは情報量ではなく学習量です。記憶ではなく、思考と発想の習慣化です。
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。