顧客満足度調査やNPS(Net Promoter Score)調査を行っている企業が増えたと同時に、調査結果をうまく活かせずに苦労しているという声をよく聞くようになりました。「CS・NPS調査はしているが、結果をレポートするだけで、次の一手に繋がっていない」「CS・NPS調査から、当たり前なことしか読み取れず、価値ある気付きが得られない」という具合です。どうしたらCSやNPSの調査をやりっぱなしにせずに、次の一手に繋げられるようになるのでしょうか。
※ちなみに「事前期待」の観点を外せば、今までと同じ観点での分析も可能なので、これまでの経年変化を確認することもできます。
サービス設計が先、調査は後
ただし注意したいのは、闇雲に「お客様の事前期待は何ですか」と聞いても、顧客自身もどう応えたら良いか分かりません。あるいは、様々な意見が出てきてしまって、収拾がつかなくなってしまいます。そこで、闇雲に調査を行うのではなく、まずはサービスの価値向上のための仮説として、事前期待で顧客タイプを定義し、勝負プロセスをモデル化します。このサービス設計があると、調査を通してどんな事前期待を捉え、どの評価項目を重点的に評価すべきかが明らかになり、調査や考察の精度が高まります。
また、事前期待を捉えられれば、難しい方程式を使わなくても、事前期待に紐づけて深い考察が可能になります。経営から現場までがデータ分析の専門家にならなくても、これまでの経験知を活かして納得感と効果のある次の一手を見出すことが可能になるのです。
service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
2023.03.07
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新