「家電ライフスタイルプロデューサー」として、縦横無尽に活躍される神原サリーさん。本質的な「顧客視点マーケティング」を企業に届けるために、独自の発信スタイルを貫いてこられました。会社勤めからフリーを経て、会社を立ち上げ、消費者には「楽しさ」を、企業には「顧客視点」を発信し続けるサリーさんにお話しを伺いました。 (聞き手:猪口真)
神原 私は、いつも楽しそうだと皆によく言われるんです。やっぱりハッピーに見える人と一緒に仕事をしたいですから、意識していたわけではありませんが、そこは大事だったのかもしれません。
「深める」から「広げる」へ
猪口 僕もそうなのですが、サリーさんのようなお仕事をしていると、同じお客様に対して同じアウトプットをしていると当然飽きられてしまうので、常に新しいアウトプットをしていく必要があります。自分のアウトプットを高めていくための勉強はどのようにされているのですか。
神原 ありがたいことに、私は企業のお手伝いをする傍らで、同時に取材をする立場でもあります。書き手であり、発信する場があり、多くの知る機会にも恵まれています。最初は白物家電でしたが、美容家電もやり、健康家電もやり、「マツコの知らない世界」に出た後には、いわゆるマッサージ系のほぐし家電という言葉も作りました。今は家電だけに留まりません。最初は「家電コンシェルジュ」だったのが、「家電プラスライフスタイルプロデューサー」になり、今年に入ってからは「家電ライフスタイルプロデューサー」にしました。「ライフスタイルプロデューサー」をプラスした理由は、家電を単体としてではなく、住まいやインテリアにも興味、関心を持って、暮らしの中でどのように使うかを考えたかったからです。製品を一個ずつ細かくレビューしたり、何かと比較したりということは、私はもうやりません。
アウトプットのためのインプットをするために、自分の興味や関心を広げています。取材をして記事に書いたり、どこかで話したりする立場として、以前は「深めていった」のを、今度は「広げて」います。今、家電だけでなく他業界やベンチャー企業から、困ったら私に話してみようというところにようやく来ることができたと思います。
猪口 自分の思いをきちんと発信し続けていくことでたどり着いたのですね。
神原 そこはずっと変わりません。「ここに勝機がある」と思ったことは一度もありません。つまり、やりたいことがこれなのです。書く仕事だけであればフリーランスのライターでやっていけばいいものを、会社を興して決意表明をして、そこまでしてやりたかったのが「顧客視点マーケティング」です。これを仕事にするにはどうしたらいいかと考えて、自分でひとつ決めたのが「有名になる」ことです。有名になって、テレビに出た、本を出した、あそこで見たあの人が話を聞いてくれるとなれば、偉い人の見方も変わってきます。結局のところ、なるべく偉い人に私がどういう人なのかを知ってもらわない限り、本当の意味でのお手伝いをさせてもらえないなと思いました。この人なら知っていると思ってもらえるように、有名になろうと思ったのです。だからこの10年、積極的にテレビやラジオに出演してきました。
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インサイトナウ編集長対談
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