コールセンターから代理店勤務を経て独立後、「マーケティングの全体像」の重要さに気づき、独自のアプローチでマーケティングを体系化。コロナ禍の厳しさも乗り越え、コンサルタントとして活躍する金森努さんに、ビジネスパーソンとして成長するためのマーケティングの必要性をうかがいました。 (聞き手:猪口真)
お相手:金森 努様
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
マーケティングの本質は「流れ」。プロモーションのことではない
猪口 コロナ禍は、フリーのコンサルタントや広告関係者にも大きな影響を与えました。対面での業務を行いにくくなり、コンサルティング業務の手法は変わりましたか。
金森 コンサルティングや研修においても、かなりの割合でオンラインに変わりました。この先、一部で対面研修が復活しても、大半はオンラインになることは目に見えています。ところが、僕にはコロナ禍初期にはオンラインのノウハウがあまりありませんでした。それで、とりあえずLINE LIVEを使って始めてみたり、結局、Zoomに行き着いたり試行錯誤して、そこからだんだんオンラインを勉強していきました。コンテンツをオンライン用に作り直したり、機材を揃えたりして、今ではかなり詳しくなって、僕の部屋はまるでYouTuberのようです。あとはUMUですね。今はeラーニング、マイクロラーニングが増えているので、その動画も宅録でサクサクッと作れるようになりました。
猪口 企業が行う研修プログラムの中に、オンラインの仕組みを作って、ご提案されているのですね。内容は、やはりマーケティングに関することだと思いますが、何か工夫されていることはありますか。
金森 僕の会社は零細なので、どうやったら生き残っていけるのかいろいろ考えて、やっぱりマーケティングの基本だと思い至りました。リーダー企業がやらないこと、できないこと、やりたくないことを徹底してやるのです。今は、オンラインを活かして、受講生と事前のモチベーションアップから、複数日程の研修では、課題の添削フィードバック、事後の「個々の業務に活かせる」ためのアドバイスまで、一人一人と繋がることに力を入れています。そして受講者全員に丁寧に対応しています。
大手には、一流大学でMBAを取得されている素晴らしいキャリアの講師が揃っています。一方、僕は東洋大学の学部卒で、MBAも持っていません。それで、キャリアではなく「キャラ」でいこうと思いました(笑)。
通常のオンライン研修では、グループワークのグループ内でもプライベートの自分を皆さんあまり明かしません。だから僕が率先して、事前のモチベーションアップのメーリングリストなどで、「実はアニオタです、ゲームオタです、いろいろオタクを嗜んでおります」など話をします。もともとCRMを専門的に行っており、自分の原点に帰ると、けっきょく「One to One」だと思いました。1対マスの受講者ではなく、一人ひとりをきちんと相手にするのが理想です。
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