コンサルティングファームで使われるフレームワークで最もポピュラーなものが、「空、雨、傘」と言われるフレームワークである。ただ、残念ながら一般的にはなぜか普及しない。知っている人もいるが、本質的な理解に基づいて使えている人は、あまり見たことがない。一度、立ち止まって考えてみれば、本意の理解が深まり、使える方向に向かうと私は思うので、この機会に立ち止まって考えてみたい。
そこから、「雨が降りそうだ」の判断が「インサイト」の部分です。目的に外部環境を照らして見出される知見ですね。
「外部環境のこれから」を予測するんです。顧客、競合、マクロ環境の動向を予測する。ここは当たるかもしれないし、外れるかもしれない。感性の部分です。
でも、この部分の精度が企業の競争力になります。より正しい予測ができたほうが強いですよね?
その上で、アクションを決める。「傘を持っていく」んです。しかも、なぜ傘なのか?が大事ですね。傘しか持っていないケースはりソース制約のお話しと同じですね。
アクションを決める時には、保有リソースの制約を受ける。
「雨合羽はスタイルに合わない」はポジショニングの問題に近いですね。どのポジションを取るのか?というところでもアクションの優先度は定まります。
そういったことを判断した上で、「傘を持っていこう」が決まっているんです。
これは、良く見ると、企業の戦略策定プロセスそのものです。
外部環境を分析し、インサイトを見出し、外部環境のこれからを予測し、その上で、自社のリソース制約、ポジショニングを考えながらアクションを定めるということです。
それ以前に、ビジョンが定まっていることが前提ではありますが・・・。
これらの一連の思考プロセスを、ギューっと圧縮して、「そら、あめ、かさ」と言っているんですね。この枠組みは非常に強力です。ずーっとコンサルティングファームでは、この枠組みは使われ続けています。
知っている人には当たり前のお話しではあります。でも、これも意外と知らない人が多いお話しです。
ぜひ、あなたのビジネスに活かして欲しいと思うのです・・・。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。