『グレイテスト・ショーマン』は人権ポルノか?:アカデミー賞への反旗

画像: 映画からの引用

2018.12.14

ライフ・ソーシャル

『グレイテスト・ショーマン』は人権ポルノか?:アカデミー賞への反旗

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/新聞や雑誌はこの作品を酷評し、アカデミー賞からも完全に無視された。だが、映画館、そして、DVDと、この作品の人気はじわじわ昇り続けている。そのことがいま、ハリウッドを震撼させている。というのも、この作品はサーカスではなく映画を隠喩したものであり、この作品の本質が、アカデミー賞のスノッビズム(俗物主義)に対する強烈な反旗だからだ。/

サーカスだの、フリークスだの、刺激的な素材に目をくらまされるな。観客の元に帰ろう、映画でみんな夢を見よう、という、この作品の力強いメッセージは、直接には見えない。だが、プロの批評家たちは、すぐに気づいた。だから、スノッビズムに冒されたアカデミー賞は、この作品を無視し恐れたのだ。しかし、いま、世界中でじわじわと人気を得ていっている。「われらは、このリングで背教者となる。太陽でさえ、われらを止められない。これがきみの求めていた場所、最高のショー。さあ、目撃し、酔いしれよ!」


by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。主著に『きらめく映像ビジネス!』『エンターテイメントの映画文法』などがある。)

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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