サービスをタイプに分類してみると、差別化のポイントや努力の仕方を明確にすることができます。自社のサービスのタイプと、努力ポイントが合致しているか、いまいちど見つめ直してみましょう。
闇雲に取り組まれがちなサービス向上
これまで見てきたように、サービスを分類してみると、サービスのタイプごとに努力すべきポイントが大きく変わることが明らかになりました。「手順型で、ロースキル・ロートレーニングでもできるサービス」の努力のポイントを、「気づき型で、ハイスキル・ハイトレーニングが必要なサービス」に適用しても、価値あるサービスは実現できないのです。しかし多くの場合、サービスのタイプを見極めることなく、闇雲にマニュアル化や手順化、チェックリスト化を推進して苦戦していることが多いようです。もちろん、マニュアル化はとても価値があります。しかしその目的を組織でしっかりと共有して、納得感を持って取り組まなければ、取り組みを前進させることはできません。この納得感を醸成するためにも、自社サービスのタイプと努力のポイントを明らかにする必要があるのかもしれません。
さて、今回取り上げた2つの分類軸以外にも、価値ある気付きに繋がりそうな分類軸はいくつか見つかっています。また逆に、分類してみたけれど気付きが得られなかったという、空振りの分類軸もたくさんあります。是非今度は、皆さんの業界のサービスにとって価値ある気付きが得られそうなサービス分類をしてみてください。目に見えないサービスを、いつもと違った視点で捉えなおしてみることで、今までにない効果的で具体的な努力のポイントが見つかるかもしれません。
service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
2017.04.18
2017.04.25
2017.05.02
2017.05.09
2017.05.16
2017.05.23
2017.05.30
2017.06.06
2017.06.13
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新