経営戦略構文100選(仮)/構文12:ダイナミックケイパビリティ

画像: ぱくたそ

2016.12.13

経営・マネジメント

経営戦略構文100選(仮)/構文12:ダイナミックケイパビリティ

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。

協業なので、出資比率がどれぐらいみたいな問題はあるわけですが、乗り遅れないほうがいい潮流があったとき、ベンチャーと協業でも進めておくことが大事ですよね。うまくいったらメジャーで買ってしまえばいいんです。

というような利用方法が大企業目線では正しいように思うわけです。というようなことを書くと、愛がないとか言われるんですけど、お互いにメリットがある取引にするだけでいいと思ったりします。長期的関係になるかならないかは流れ次第かな、と。

それとね、もう1つ大事な視点があって、補完的に見ようとすれば、補完的に見えるプロセスも、代替的に見ようとすれば代替的に見える。

ダイナミックケイパビリティは環境は補完的で、みんなとWin-Winになれる!とか、意識高い系の学生のようなことを主張するわけですが、真逆の理論もあります。契約理論ですよね。環境を代替的に見ます。

周りは全て敵なんだ、競合するんだ!というような考え方です。まるで私のような考え方ですね。ええ、オリバー・ハートは好きですよ。

お互いにメリットがあるんだ!とするならば、協力するインセンティブが働くわけですが、代替的なんだ!とするならば、戦うインセンティブがある。だから、協力する場合には契約で縛り付ける必要がある。

この視点が、自動車メーカーのサプライチェーンにおける日本的系列関係と、米国の資本的支配関係の違いとも読める気がします。自動車のサプライチェーンで言えば、日本的系列が勝利したようにも思いますけどね。

極端なケースでなければ、代替性と補完性は同時に存在しています。だから、補完性だけを読み取って、代替性を無視するのもダメ出し、代替性だけを読み取って、補完性を無視してもダメなんだと思います。

ただ、同じプロセスをいかに回して儲けるか?がビジネスの収益性を決定するので、大企業のプロセスは硬直化しがちです。そこに、新たな要素を取り入れることができるか?と言えば、補完的に環境を見て、ベンチャーと協業してみると、いいことがあるかもしれないよ、というお話として受け取るぐらいでちょうどいいかな、と思っています。

いつも感じが悪く書きすぎなので、今日はちょっとゆるふわテイストで書いてみましたが伝わりましたでしょうか?ええ、ちょっと反省しているんです。人間が腐っていると、好きな女の子に愛想をつかされてしまいますからね。ちゃんとしたいと思っています。

それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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