問題は、たいてい複雑に見える。 データが多い。 表記がばらばら。 関係者が多い。 歴史が長い。 そして多くの人は、その複雑さを正面から解こうとする。 正しく揃えようとする。 例外をなくそうとする。 ルールを統一しようとする。 だから止まる。
第四章
比較軸をずらせ
問題は、たいてい複雑に見える。
データが多い。
表記がばらばら。
関係者が多い。
歴史が長い。
そして多くの人は、その複雑さを正面から解こうとする。
正しく揃えようとする。
例外をなくそうとする。
ルールを統一しようとする。
だから止まる。
名寄せの案件が、何年も動かなかったことがある。
顧客データが複数のデータベースに分散している。
住所の表記がばらばらだ。
千代田区日比谷日比谷ビル1-11-1
千代田区日比谷一丁目十一の一
千代田区日比谷壱丁目拾壱ノ壱
壱、弐、拾。
「の」と「ノ」。
漢数字と算用数字。
何万件もある。
実データを見た瞬間に、あきらめる人が出る。
「無理だ」と。
だが私は、文字を見ていなかった。
比較軸を見ていた。
町名より後を、数字にできないか。
壱も一も、1。
拾壱も十一も、11。
区切りは無視する。
まずは粗く束ねる。
完璧に揃えなくていい。
一旦、1111のように数字化してみる。
それで名寄せをかける。
その後、必要なものだけ人が見る。
最初から100点を目指さない。
70点でいいから、動かす。
問題は複雑だったのではない。
比較軸が間違っていただけだ。
私は特別なことをしていない。
普通の方法も知っている。
正規化の議論も理解している。
だからこそ、それを排除できる。
「ほかの会社ならどうするか」
「私がプログラムを書くならどうするか」
「人が死なない方法はないか」
これを一瞬で考える。
その積み重ねが、発想力になる。
発想とは、奇抜な思いつきではない。
排除の技術だ。
いらない前提を捨てる。
見なくていいものを捨てる。
軸を一本にする。
比較軸をずらす。
そうすれば、
不可能はたいてい動き出す。
ここで大事なのは、勇気だ。
完璧を目指さない勇気。
粗く束ねる勇気。
変わり者と呼ばれる勇気。
私は何度も言われた。
「そんなやり方で大丈夫か」
だが私は知っている。
止まっているより、70点で動かすほうが価値がある。
比較軸をずらせ。
それはテクニックではない。
姿勢だ。
同じ努力を続ける前に、
軸を疑え。
合理化とは、削減ではない。
前提を疑うことだ。
その先に、余力が生まれる。
そして余力が、
次の創造を可能にする。
【連載】楽をしたい人のための合理化思考
2026.04.11
2026.04.14
2026.04.16
2026.04.20
2026.04.20
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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