経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
完全競争市場を考えると、今、当社が「うまくいっている/うまくいっていない」理由を理解するヒントにもなることがわかるでしょう。
これを単一企業ではなく、業界でどうなっているか?を分析するわけです。
競合との競争の激しさを、サプライヤーの交渉力を、顧客の交渉力を、代替品の脅威を、新規参入の脅威を。
多数の売り手がいる、自分と同じような会社、つまり競合がいるときついですよね。
川上に少数しか売り手がいないと、交渉力すごくありそうで、嫌ですよね。ちゃんと原料を調達しにくい。
川下のお客さんが少数しかいないと、これまた交渉力ありそうで、嫌ですよね。自社商品を買い叩かれそうです。
商品の実現する便益に差異がない商品が他業界にあったら、嫌ですよね。
参入が自由でいかようにでも入れると嫌ですし、簡単に自社と同じことができるようになってしまったら嫌ですよね。
というふうに、ファイブフォースモデルを完全競争市場の要素で捉えることができますよね。
完全競争市場との比較の中で、独占市場を見てみると、独占市場には自社しかいないので、価格支配力があって、とても楽あことがわかります。寡占市場においても、自社と同じような企業が少数なわけです。楽ですよね。
じゃあ、独占企業や寡占企業のような状態になるにはどうすればいいのか?という問いが浮かびます。
それはお客さんが求めていることで、自社のできることが、他社ができなければいい、という単純な話になります。
ポーターは価値の選択、お客さんが求める便益からこの論点を考えます。
バーニーは、この文章がそのまんまですね。VRIOで強みを特定しろと言います。お客さんが求めていることでがVALUEだし、自社ができることが他社ができないがRarelityだし、Immitabilityだし、といったところでしょう。
単純に、お客さんが求めていることで、自社ができることが、他社ができないなら、話は簡単です。あなたの会社は競争優位があって、超過利潤を得続けることができる。
ちなみに、経済学では完全競争市場における超過利潤はあってもいずれなくなると考えます。商品に差異がなくて、たくさんの企業が同じ商品を作れば、値段が生産費用ぎりぎりまで下がっていくと考えるからですね。
だから、投資家は平均的利潤しか得られなくなります。機会費用と同じだけしか儲からないわけです。
経営学で言う利益は、競争が激しければなくなっていってしまう。完全競争市場から離れていれば、そうではない。利益はなくならない。この観点でファイブフォースモデルを見ることが1つとしてあると冒頭の偉そうな文章は言っているわけです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
経営戦略構文100選(仮)
2016.04.07
2016.04.23
2016.06.17
2016.07.25
2016.08.16
2016.08.30
2016.10.18
2016.10.28
2016.11.24
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。