経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
それで、プロフィットプールが大きくて安定的なところが参入先としては魅力的ですし、もしも、プロフィットプールの動向を予測できるぐらいに知見があるならば、その動きに合わせて垂直統合の範囲を柔軟に変えていくことが上手な経営といえるとは思います。
ただ、なかなか予測は難しいです。
一応、たいていはメイン行程からサブ工程にプロフィットプールは移動しますし、川上から川下に移動することが多いかな、とは思います。何回かやれば、どのあたりからどのあたりに動きそうだというのはわかるのですが、たまに外れることがあるので、確定的には言いにくいですね。
私の嫌いなSWOT分析っぽく言えば、自社の今の事業領域にプロフィットプールがある場合に、プロフィットプールが移動してしまうのは「脅威」でしょう。
自社の今の事業領域にプロフィットプールがない場合、プロフィットプールが移動してきてくれるなら、それは「機会」といえるでしょうね。
SWOT分析的に考える場合に、強みの規定がないのに、機会と脅威が定まるケースはレアですが、プロフィットプールは強みとは少しねじれた概念なので、独立して扱えることが多いと思います。
ただね、これは結果としてねじれているのであって、もしも、プロフィットプールの移動をファイブフォースモデルにおけるパワーのやり取りの結果としてとらえるならば、中間変数としてのファイブフォースは「強み」と直接的に関係を持ちますよね・・・。
私はあんまり細かい打ち手でなんとかするのは好きではないので、ファイブフォースはとりあえず無視して、プロフィットプールの移動だけを純粋に考えるほうが好きです。そうすると、多くの論点が論点ではなくなるので、楽なんですよね。効率的です。
こういうことを言うと、「怠慢だ」とか、「お前は詐欺師」だとか、「この非モテ野郎」とか、罵声の言葉を浴びるのですが、心は常に強く強くありたいと思っているので、聞き流して生きています。ええ、クライアントサイドのスタッフのいうことをいちいち真に受けていたら生きていけないぐらい繊細ですからね。
業界の魅力度を考えるならファイブフォースではないか?と思われるかもしれませんし、実際そうなんですけど、ファイブフォースはバリューチェーンにバリューチェーンの外側からの脅威を書き足したものですよね。そういう認識でないと使えないので、もし知らなかった人は今、そういう認識にして欲しいです。ええ、そうでないとバリューネットとのつながりも理解できません。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。