経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
企画が却下されたのに、試作機を作る予算をどこから調達したんでしょう?統制不足すぎて恐ろしいですよね・・・。
ただ、「こういう創発的要素も企業経営では大事だ」というのは、それはそうだろうと思います。
だから、大枠を決めて、現場は試行錯誤をするというお話が戦略的にありえるということです。私はたまに、「試行錯誤してみては?」と言うのですが、そう言うと「そんなものは戦略ではない!」という罵声を浴びます。
ミンツバーグも一応、戦略の大家なんだけどなあ、と思いながら「あら、そうですか」と言っておきます。そういう人は次から会議にいませんけどね・・・。
1つの企業には、創発的なパターンも一応あるし、意図のパターンも一応あるでしょう。そのせめぎあいが実際の戦略を形作っていくわけです。現場の試行錯誤は創発のパターンを見せてくれますし、もし、意図の戦略が大きな要素を占める会社であったなら、自発的に現場が動いていくきっかけを作るものになるわけです。
ただ、ミンツバーグは創発的要素だからといって、うまくいくことが多いとは言っていません。意図も創発も、それぞれうまくいくこともあるし、いかないこともあるというスタンスです。このうまくいくこともいかないこともある戦略を、トップは現場の創発も踏まえて練り上げて行こうよ・・・、陶芸のように・・・、というのがミンツバーグの主張です。
しかし、バーニーは妙に創発的戦略に肩入れしていて、「創発の方がうまくいくことがあるんだ!」ということを言っています。根拠はよくわかりませんが、バーニーはそう言っています。
私はどちらかというと、ミンツバーグのように、創発に過大な夢を持っていない派です。夢がないですね。ごめんなさい。だから現場から嫌われるのでしょうね。ただ、ケイパビリティ派は時に妙なことを言うので、信用ならんよなあと思うんですよね。ハメルなどもそんな感じがします・・・。日本企業に夢を見すぎですよと言ってあげたい。
ただね、「机上で作ったものがその通り行けばうまくいくんだ!」という青臭いことを言う人がたまにいるわけですが、そうはいかないのは世の常だということをミンツバーグは教えてくれます。上手くいかない要素も見越して、意図した要素にどのような創発要素が加わって、実際に動いている戦略はどのようなものになっているのか?を常に常に見つめて、常に常に新たな打ち手を考える必要があります。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。