大学入試でセンター試験や2次試験が廃止される?面接が導入される?…などなど、11月は大学入試改革の話がマスコミをにぎわせました。 事実はどうなのか。実際にどんな審議がされているのか。 中央教育審議会、高大接続特別部会を傍聴し、要点をまとめてみました。
3.1、2の順序ではあるものの、「大学入試」の変革はインパクトが大きいのも確か。
1→2の順序で考えることは大切なのですが、1→2の順序で考えると様々な障壁もあり、なかなか検討が進まないこともイメージできますよね。
「大学入試」の変革は、ある意味外科的手法。ここを変えれば、大学教育も高校教育も変わらざるを得ない状況に追い込まれます。
4.(他の提言とは異なり)本件は拙速はダメ。教育上のカリキュラムの問題を軽視してはいけない。
安西部会長が「下村大臣からも、本件は拙速にしてはいけない、と指示を受けている」と仰ったのが印象的でした。
教育再生実行会議の第一次提言は「いじめ」の問題であり、これはすぐにでも良くなる処方箋を提示する方がベターでしょう。実行第一のものです。
しかし大学入試の場合、制度を変えても高校教育はカリキュラムを変えない…とはいきません。
ちゃんと高校時代に、「学び」にどん欲だったら、多くの大学教育への道が開ける、でなければいけませんからね。
…となると、大学入試制度単独で考えるのではなく、学習指導要領の改訂と同時並行で、慎重に進めなければいけない点が大きいのも確かです。
ただし、拙速の反対は巧遅です。功遅を選択しているだけの話で、「どーせ今までとそんなに変わらないものが出てくるでしょ」と、タカをくくっていたら、驚く制度が出来上がると思います。
それだけ今回の中教審の皆さんは本気。拙く速い、ではなく、巧みを磨き極めるために「慎重」を選択しているわけですからね。
5.制度設計はこれから。
政策レベルで、大上段に構えた提言はされましたが、細かな制度設計はまだほとんど決まっていないようでした。
大学には経営問題もあります。理想を語っても、現実には不可能な制度になってはいけません。
また、制度といえば、世間の耳目は「達成度テスト」に集まっているようです。
「達成度テスト」を簡単にまとめた資料の中でも
・「基礎レベル」と「発展レベル」の2つのレベルを用意する。
・複数回受験機会を与える。
・試験結果は1点刻みではなく、ある程度の枠で括った段階別に評価する(たとえば1~10の10段階評価、など)
が(一般の皆さんは)気になるところのようです。
こちらについての議論は今回ほとんどありませんでしたが(これが「制度設計はこれから」というイメージを持った所以です)、情報が余り届いていないところを補足すると
・「基礎レベル」は(中教審の)「高校教育部会」で、「発展レベル」は「高大接続特別部会」で議論すること、とされている。
・「発展レベル」は、今のセンター試験に置き換わるようなイメージ(委員の発言より僕が解釈すると)。「基礎レベル」が、これまでにない全く新しい試験、というイメージ。
・「複数回受験」と理想を提示されたのみで、現実問題は様々な問題をクリアーしなければいけないですし、その問題は他の問題と比較しても大きなものである(委員もそう受け止めているようです)。
次のページ6.安西部会長が、教育再生実行会議にも出席し説明している。
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