大学入試でセンター試験や2次試験が廃止される?面接が導入される?…などなど、11月は大学入試改革の話がマスコミをにぎわせました。 事実はどうなのか。実際にどんな審議がされているのか。 中央教育審議会、高大接続特別部会を傍聴し、要点をまとめてみました。
一例を挙げます。
報道の影響で、「学力を問う試験から人物本位の試験へ」というイメージが脳内にこびりついてしまった方の中で、「今の推薦やAO入試でも面接などのみでの選抜が行われている!しかもそれは、学力がほとんど身についていない高校生を大学に合格させるための仕組みとして使われてしまったじゃないか!」という意見を、ネットでは相当数拝見しました。
…大丈夫です、餅は餅屋で、部会の皆さんは十分そのことを弁えており、かつ、弁えた上で、(大学入試全体を俯瞰した)問題の発見や代替案の提示を行おうとしていました。
当然といえば当然なんですが、これを当然とせず、普通の方より少しだけ(入試の)知識がある、声の大きい主張屋さん(苦笑)が、メディアを流れる情報の空気をつくる場合がありますので、受け手は注意しなきゃ、なんですよね。
世間の空気が、本格的な議論を妨げる場合も得てしてありますので。。。
では、2時間に渡って開催された、今回の高大接続特別部会(第八回)。どんなことが語られたのでしょうか?
僕の解釈も入り恐縮ですが、ポイントを絞って7点にまとめてみました。
1.「これからの日本社会にどんな人材を育成することが必要か」を最上位において議論をしている。
いわゆる育成ビジョンですね。
メディアの過熱報道の話題になったり、話が横道にそれそうになったりするたびに、安西部会長が本点を強く主張されました。
大学入試をどうするか、それは学力評価か人物評価か、云々よりも前に、育成すべき人材像を明確に描かないといけない、と。ごもっとも、です。
大学入試をこうすべき!という論をネットその他で見る際には、その論を「育成すべき人材像が明確か?」という視点で見てみると、筋が通った論かそうではないかが分かる気がします。
2.1のために、高校教育、そして大学教育はどうあるべきか、が次。そして、そのためには、高大接続部である「大学入試」をどうするか、という順序で考えるべき。
1、2の論を安西部会長が語られた時、心から「仰る通り!」と思いました。
第四次提言では、大学入試制度の変革にかなりのスポットライトが当たっていますが、そもそもそれも、「大学が育成すべき人材」を適切に選抜することが、現在の入試制度では難しい、という、大学教育を基点にした考え方ですよね。
もちろん、大学教育につなげるための、適切な高校教育も必要で。
山本繁委員は、高大接続の問題を、「マッチング」の問題、という例えを使われました。
多様な時代なので、多様な大学教育に、多様な高校教育が必要で、多様性に対応するための大学入試制度の在り方は、まさに「マッチング」を問われます。
次のページ3.1、2の順序ではあるものの、「大学入試」の変革はイ...
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