学生時代に熱く打ち込んでいたものがある人は、就職に際して、その道へ進むか、それとも普通のサラリーマンになるのか、悩んだことがあるだろう。
松田は、
「まだ実力が伴ってないなと感じています。自分は普段、決してスマートに仕事をこなすタイプではないですし、大きな成果もまだ残せていません。ただ3年間自分なりに不器用にも精一杯頑張ってきた自負のようなものはあります。今持っているスキルのなかで、ご相談いただくお客様や営業マン、また仕事を任せてくれる上司や先輩方にできる限り応えようと思って仕事をしてきました。そういった日頃の姿勢を、表彰というかたちで認めてもらえたのかと思うと、素直にうれしいですし、度量の深い会社だなと。なので自分の中では努力賞をもらったと受け止めています」
トラブルが大きかったから目立ったわけで、本当に優秀な技術者ならトラブル自体起こさないはずだから、本来技術者は目立たないほうがいいのだと松田は言う。それでも、トラブル対応は、最中は苦しくてもハッピーエンドに終われば自信につながり、明日への機動力となる。松田にはほかにも忘れられないハードだった案件がある。
「入社2年目の冬から春にかけて半年間、先輩2人とサブとして担当した統合基盤構築支援は今でも強烈に記憶しています。そして、つらくも、自分を大きく成長させてくれた案件だったと思います。プロジェクトの規模も大きく、全体のプロジェクトの進行自体が難航し、常に各構築フェーズの期限に追われた案件でした。そんな厳しい状況下において、休日や夜遅くまで対応する日も多くありましたが、一緒に支援を担当した経験豊富な先輩2人の活躍のおかげで乗り越えられましたし、また当時2年目だったにも関わらず信頼してくれて色々な仕事を任せてもらえ、時に励ましの言葉もくださった先輩の優しさに、本当に感謝しています」。トラブルそのものだけではなく、大変だったこと、そのために努力したことを認めてくれる周囲が、人をさらに成長させるのかもしれない。
コンピュータ・システムを構築して無事にカットオーバーするという工程は、映画制作の工程と似通った部分があると、松田は言う。
「システムの場合、要件定義→設計→導入・実装→テスト→本番稼働となりますが、映画も、企画→脚本・キャスティング・ロケハン→撮影→編集→上映会というサイクルです。ゼロから色々な関係者を巻き込んで一つの作品をつくり、みんなで同じ空間を共有する映画制作という活動にとてもやりがいを感じていましたが、そう考えると、今やっている仕事もまさに同じなんです。思い描いたように案件を進められた時は達成感がありますし、筋書き通りにいかない時、思わぬ展開は、がっくしくる時もありますが、逆にワクワクしてしまう時もあります。映画撮影も予想外の雨が振って、なんとか試行錯誤の工夫をして撮ったりする時は、逆に監督魂が燃えてきます(笑)。そしてそういう時こそ良いシーンが撮れた記憶もあります」。思わぬ創意工夫ができたり、アイデアが浮かぶのは順行ではなく、逆行の時なのだ。
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