一度辞めても、会社と本人の希望が合致すれば再入社が可能な会社、それがアシストである。 なぜ一度辞めていった社員にもう一度チャンスを与えるのか。創業者で現会長のビル・トッテンは、こう語る。
「辞めないほうがいいと思っている社員が辞めると言ってきたら、僕は引き止めるけどその時点ではほとんどの場合、もう手遅れで気持ちを変えることはできない。また、アシストの社員の多くは新卒で入社しているのでほかの会社を知らない。だから、違う空気を吸えばまた戻りたくなるだろうと思っている。実際に再入社した社員たちをみると、ほかの会社で働いて戻ってくると辞める前よりももっと熱心な社員になることを証明してくれている」。(関連記事⇒「隣の芝生は青かったか?再入社した社員が学んだこと」http://www.insightnow.jp/article/6046)
システムソフトウェア事業部で営業を担当する伊奈(いな)も、一度退職し、再び戻ってきた新卒入社組の一人である。
「魔が差しました(笑)。アシストの元同期が営業マネージャをしていたコンピュータメーカーに年収が上がるかなあと思い転職しましたが、行ってみると社風はアシストと正反対でした。重要なことはとにかく1円でも多く売る、それ以外は誰も何も考えていませんでした。しかも僕の仕事は締めが週単位。今週何十万円足りない、もっと言うと今日何万円足りない、のチェックがありました。給料は月の売上げで歩合で決まり、本当に“今日いくら稼ぐか”という仕事でした」
アシストは企業を訪問するスタイルの営業だが、そのメーカーでは電話営業で、まず電話をとることから周りに座っている他の営業マンとの競争だった、と伊奈は言う。
「お客様からの電話をいかに自分がとるかですから、周りは皆ライバルです。チームで協力して仕事をしていたアシストとは正反対。個人でどれだけ売上げを上げるか、それも今日中に、午前中に、という感じでした。負け始めると『大貧民ゲーム』のような状態になりますが勝ち始めると大きいので、もしこのような働き方しか知らなければ、数字にシビアな世界で働き続けることもできたかもしれません。実際そうやって働いてビジネスが成り立っているのですから。でも僕は9ヶ月で辞めて、またアシストに戻りました」
アシストにもノルマはあるし、数字は重要だ。新卒でアシストに入社し、技術に配属された伊奈は7年間運用系ソフトウェアのSEとして働いた後、自分で志願して営業に異動した。技術の知識をもとに営業に移ったものの満足できる成績は上げられなかった。それが転職志向につながったのかもしれない。
「アシストを辞める前、僕は一度も自分の営業ノルマを100%達成したことはありませんでした。ノルマを達成できるようになったのは出戻ってからですから、あの9ヶ月間はすごく辛かったですが、営業としては成長したんじゃないかなと思います。だから一度退社して違う空気を吸って、そして戻ってこれてよかったです。あの経験にも再入社できたことにも、感謝しています」
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