貴方達がやっているのは「調達事務」であって「調達」ではない

2012.08.07

経営・マネジメント

貴方達がやっているのは「調達事務」であって「調達」ではない

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

4月から調達・購買業務に関わるセミナーや企業向け研修、調達・購買部門改革に関する相談などが続き、改めて調達・購買業務の価値について考える機会が多かった数か月であった。特に印象に残っているのが、企業向け研修の場で伺った調達担当常務からの講話だ。

調達・購買部門が期待されないというのは残念だが、現状を正しく認識しないことには問題解決を図れない。一方で、これらの企業は調達・購買業務の重要性を正しく認識しているので、その認識を持ち続ける限り、望まれている調達・購買部門がやがては実現するだろう。特に、弊社が研修を請け負った企業の調達・購買部門の方々とは、研修の後に行われた懇親会にも参加させて頂き、個々人とお話をさせて頂く機会を得た。そこで感じたのは、一人ひとりはスポイルされることなく、「『調達事務』ではなく『調達』がやりたい。だけど、どうして良いか分かずもどかしさを感じている」というもので、こうした方々には期待と役割を明確にし、必要な権限とリソースを付与し、正しく方向づけすれば大きく伸びるものだ。

ただ、それが簡単に進まないのは、多くの企業では、権限やリソースは上から黙っていても与えられるものではなく、下から勝ち取らなければならない所に起因すると考えられる。特に、これまであまり期待されていなかった調達・購買のような業務では、トップがリーダーシップを以って行う「改革」「革新」というのはめったになく(そのような会社であれば「改革」「革新」しなくても通常のマネジメントで上手く成長していくので「改革」や「革新」は不要である)、心ある現場の人間が下からマネジメントを動かしていく「革命」が求められている。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

フォロー フォローして中ノ森 清訓の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。