日本の産業はサービス化が進んでおり、サービス業のみならず製造業や農業、医療分野などにおいて「サービスの考え方」をうまく取り込んで付加価値向上や競争力強化を行うことが極めて重要であると言われるようになってきました。にも関わらず、まだまだ製造業文化でサービスをドライブしている企業が多いようです。そこで、サービスの考え方とはどういうことなのかについて、サービスサイエンスの視点で考えてみたいと思います。
■まだまだ製造業文化でドライブされている日本のサービス
ここまでで「サービスの理論」を少し見てきましたが、サービスで満足してもらうためには製造業とは全く違った価値観でドライブする必要がありそうだと感じて頂けたのではないかと思います。しかしながら日本のサービスはまだまだ製造業文化でドライブされています。つまり「良いサービスは喜ばれる」と思ってサービス提供者が勝手に作ったサービスを提供しているケースが非常に多いということです。こういった勝手に作ったサービスにはかなりの割合で「余計なお世話」や「無意味行為」「迷惑行為」が入ってきてしまうものです。これでは、サービスでお客様に満足して頂き、競合に勝つということは難しいと思います。
それではどうしたら良いのか。先ずはやはり、「サービスの論理」をきちんと理解するということが第一歩になると思います。我々サービス提供者がサービスサイエンスを通して、サービスに関する定義や構成要素を理解したり、感動サービスを実現するための視点やモデルを知った上で、サービスの開発・設計・改善や従業員の教育・トレーニングを行うことが、日本産業や日本企業の価値と競争力を高めることになるとに繋がると信じています。
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サービスサイエンス・CS向上・サービス改革・品質向上
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新