日清・日露戦争を舞台とした、かの有名な歴史小説「坂の上の雲」 (司馬遼太郎著)がドラマ化されました。 この偉大なる歴史小説には、現代のビジネスマンが学ぶべき、マネジメントの原理・原則が随所にちりばめられています。 「坂の上の雲」は、いわば、「マネジメント教本」と言えます。 この教本から学べるマネジメントの原理・原則のひとつをご紹介し たいと思います。
◆事業目標のさらなる上位概念として理念・Visionという言葉があ
ります。
辞書で引いてみました。
理念:1.理性で考えられる最高の概念。
2.それが、どうあるべきかという、根本的な考え方。
(三省堂国語辞典)
Vision:1. An idea or picture in your mind of what a future
situation could be like.
2. the ability to imagine what the future could be
like and how important changes can be achieved.
Visionary: Having great ideas of how the world can be in the
future, especially how it can be improved.
(Longman dictionary)
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■■ 今回の学び ■■
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◆事業を進めていく、あるいは企業マネジメントを進めていく上で、
「坂の上の雲」で描かれている日露戦争の壮大な歴史の教訓から、
まず最初に学べる一番重要なことは、経営者あるいは創業者の明確
で、ゆるぎない魂の籠った「理念」や「事業目標」を、経営者やマ
ネジメント層は抱き、そして、それを熟考・醸成させ、人を感動さ
せるまでのものに昇華させることではないかと思います。
◆さらにその本質的に意味することを、組織構成員、経営陣から新入
社員、派遣社員、アルバイトの学生まで、すべての従業員がそれを
理解し、腑に落とし、各人が同じ方向に向いてその実現に情熱を傾
け、行動することが肝要ではないかと思います。
◆日露戦争当時の日本は、事業目標を実現することが、そのまま自己
実現を果たすことと重なって融合していました。
◆事業目標と自己実現が重なることが理想的であり、将校から一兵卒
に至るまでそれらを一致させていたのではという点は、企業運営に
大きな示唆を残すところであります。
細かい戦略や戦術の前に、企業として、その理念や目標をまずは再
点検して、それを明確にする。 そして、従業員に深く浸透させる
ということを怠ると、その事業が成功に至る道のりは極めて厳しい
ものになると言わざるをえません。
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