本日のトピックは「立ち上げフェーズ」についてです。
無料お試しのマーケティング調査の段階で非常に良い反応があったとしても、
実際に発売してみると、
わざわざお金を払って顧客が買うとはかぎりません。
たとえ1円であっても顧客がお金を出して買うということは
市場ニーズがあるということなので、
事業成立の可能性があるということを少なからず意味するのです。
また、銀行や投資家からの1円ではなく、
客からの1円であることもポイントです。
「客からの1円」は「投融資からの1円」と価値が全く違うからです。
時価総額への金額インパクトを考えると、
「投融資からの1円」はただの1円ですが、
「客からの1円」は2.1円以上の価値はあります。
※企業価値≒EBITDA×7倍、粗利30%の前提
とにかく早く「最初の客からの1円」を上げることが
立ち上げフェーズでは重要です。
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┃ ■■■■ 中級者でもよくある間違い
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■■■ 固有名詞が書かれていない
「立ち上げ当初は大手コンビニチャネルで販売し、」
「立ち上げ当初は20代OL層の顧客セグメントへ訴求し・・・」
「サイト立ち上げにはPHPスキルとデザイン力のある人材を採用し・・・」
というケース。
具体的な個社名・個人名が特定できない記述はNG。
立ち上げフェーズのベンチャーは顧客や協業企業、欲しい人材に
相手にされないケースが多いからです。
固有名詞まで特定できていないということは
立ち上げの戦術としてまだ未熟だということです。
立ち上げフェーズの記述としてベターなのは、例えば、
「前職から15年のお付き合いのある地元スーパー武田の田中購買部長に
期間限定で埼玉南部エリアの5店舗の棚に置かせていただく稟議を
お願いし・・・」
「出身大学のバスケ部OB会の輩50人に頼んで買ってもらい・・・」
「PHPコーディングスキルとデザイン力のある人材」よりも
「プロジェクトを2年一緒にやったことのある釜本さんを採用し・・・」
最初からベストな顧客、ベストなパートナーを
捕まえられなくてもかまわないので、
具体性と身の丈にあった実現可能性が必要です。
立ち上げフェーズとは、最終目的地にいたる最短の直線経路を
必ずしも通れるわけではありません。
紆余曲折を交えた遠回りな道でも構いませんが
事業計画上は最も直近のことを語るセクションであるので、
固有名詞が必要なのです。
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