何度かに分けて、チャート作成について語ろうと思います。コンサルタントはチャートがしっかり作れて、コンサルティングの入り口に立てます。今日はチャート作成のマインドについて解説しようと思います。
ただ、動かして失敗する可能性が限りなく高くても困りますので、一応、科学的に正しいことをベースに動かしたいものですが。
よく、コンサルティング会社の下っ端をやっていると、こんなにチャートを作ってるのに、マネジャーたちの給与の半分ぐらいなのはなぜだ!報告会もチャートをしゃべっているだけじゃないか!という憤りを感じることがあるでしょう。
というか、そういうことはあるのですが、それは、クライアントを動かす力があるかないかの差ですね。
それと、分析的なチャートを作れても、その分析チャートをベースにして、意味合いを紡いでいく作業はマネジャーのほうが圧倒的に強いですよね。
「この意味合いはこうで」と下っ端が説明すると、「ってことは、こういうことも総合的には言えそうってこと?」と聞かれる。そうすると、一瞬戸惑うけど、あー!そうか!となってしまう。
下っ端が出してきたバリューに対して、アドバリューしていくことができるのがマネジャーの価値ですね。
ただ、科学的思考のベースは日々のチャート作りで磨き上げられます。
マネジャーが言っていることをチャートに落としてみること、日々の気づきをチャートに落としてみること、クライアントのいる業界について、調べてひたすらチャートに落とし続けること。
そのベースがあって、初めて科学的思考の基礎ができあがってきます。
プロジェクトミーティングの中で、無視されてしまうチャートや、シュレッダー直行のチャートもたくさん出てきますが、それも自分の血肉になってきます。
私の友人で、戦略コンサルティング会社でマネジャーになれなくて、投資会社に移った人が言っていました。
「もっとマネジャーが言うように、チャートに落とせばよかったな。意味のあるものを作る努力も必要だけど、なんでもチャートに落とすことが大事だったな。」、と。
私が一緒にプロジェクトをやって、一番イライラするのは、新米のコンサルタントが何でもチャートにしようという気構えを持っていない時ですね。
くだらないと思っても、全てチャートに落とすことが、プロジェクトでの知見につながるんです。
チャートに落とせないことは、理解できていないんです。口頭だけでで説明できたと思っても、説明できていないんです。
もう一度言います。
チャートに落とせないことは理解できていません。
つべこべ言わずに、タイトル、メッセージ、図解という3つの領域に、自分の考えを落としてください。
それをやり続けることが、プロジェクトでの知見を生み出し、クライアントに対するバリューにつながります。
全ての新米コンサルタントにこの言葉を贈ります。
つべこべ言わずにチャートに落とせ!
感じたことから、気づきから、マネジャーが言ってることから、とにかく全てをチャートに落とせ、と。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。