チャートでファクトの数字を表現する時、グラフ化は必須の技術ですね。要素を数字で表現することによって、要素間の関係性を誤解なく読み取ってもらうためには、正しいグラフ化が必要です。でも、意外と関係性を読み取ってもらうという視点からは間違ったグラフ化を良く見かけます。
コンサルティングのプロジェクトにおいては、仮説検証アプローチが採用されていますね。
仮説を立てる。検証する。
仮説というのは、事象の関係性に対する仮説です。何度も書きますが、極端に言えば、「だれだれがこれこれをすると儲かる」という関係性です。
そして、それが正しいのか?と言うことに関して、検証しないといけないですね。検証の1つの手段として実際の数字をもって示すということがあります。
数字をもって示す際に、グラフ化してメッセージが伝わりやすくするということをするんですね。
数字の羅列よりも、大きさを視覚化したほうがより伝わりますよね。
ただ、あまり数字のマジックで錯覚を起こさせてもいけません。
エクセルで棒グラフを作ると、X軸と交わる数値が自動的に設定されますよね?
10001、10002、10015の3つの数値を棒グラフにすると、最小値9990となりますよね?
差を強調するために、こうなりますが、この差を強調することに意味があるのか、ないのか?というところがポイントですね。
まあ、たいていこの程度の差を強調する本質的意味はありません。最小値は0で設定して下さいね。じゃないと、変な意図があるのでは?とうさんくさい感じがしてしまいます。
で、いきなり棒グラフのお話しから始めていますが、伝えたいメッセージによって最適なグラフを選択することが大事です。
折れ線グラフはどんな場合に使うのでしょうか?
これはたいていはある要素の時系列推移に意味がある場合に使いますね。
円グラフは全体に対する部分の割合を見せるのに使います。
棒グラフは要素間の大きさの違い、要素間の大きさの差を見せるのに使います。
これ、基本です。こんなことできているよ、と思いますか?
でも、意外とこの基本をはずしたグラフをよく見かけます。これをはずしているものは、私は見る気が失せます。気持ち悪いんです・・・。
そして、意外と皆さん使いたがるのが、くもの巣グラフ、レーダーチャートです。これ、以外とメッセージが伝わらないのに意味ありげになることがわかるでしょうか?
図形の形に目が行きます。意味がありそうです。でも、その形自体に意味がないことが多いです。
もしもレーダーチャートを使って、複数要素の比較をするなら、棒グラフで複数要素を横に並べたほうが、部分部分の差に着目できます。
レーダーチャートは意味のない形がさも意味ありげに見えてしまうというところで、本質とは違ったところに意識がいってしまうというところが問題だと思います。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。