ロジック記述トレーニング:トートロジーを排除する!

2008.12.28

仕事術

ロジック記述トレーニング:トートロジーを排除する!

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

結局、何をどうすると、どうなるの?という関係性が大事ですよね?ということは繰り返し述べてきました。でも、トートロジーに陥ってしまうと、思考が進みません。今日は、トートロジーに対して留意することを学びます。

 トートロジーとは何か?と言いますと、A=Aという関係の記述を言います。私は私です!というのも、トートロジーですね。

 何の学びもありません。いや、映画のセリフでは、「私は私よ!」というのがすごく感動的に伝わったりしますね。

 これは、私はあなたではないというお話しが背後にあります。以前に、「イラっとしたらゲシュタルトの祈りを」http://www.insightnow.jp/article/2237で多少触れましたが、個の確立という論点では非常に重要なポイントではあります。

 人間の感情は別にして、関係性を把握し、エンティティをいじって、結果に作用しようとするには、トートロジーはいけません。

 結局、話しが前に進まないからですね。

 「不況だから儲からない」というもの言いも、そうですね。

 不況と言うのは、お金のめぐりが相対的に悪くなっている状態です。

 全体のお金のめぐりが悪いというのは、部分のお金のめぐりも悪い可能性が高いですね。

 私の会社もその一部分だから、儲からないといったところで、何の意味もありません。そして、原因と結果が離れすぎています。いわゆるPESTと言われるようなマクロ要因が自社に影響を与える場合は、よっぽど大きい会社です。

 小さい会社は、大きい会社を介して、景気変動の影響を受けるんですね。大きくも無いのに、景況指数と自社の業績の相関が大きくも無いのに、不況の影響が、とか言わないで下さいね・・・。

 大きい会社も、中計やら、IRで不況だから儲からないなんて言わないで下さい。プランニング能力の低い会社だと思われます。景況感と業績の相関をいかに小さくして、自社のルールで市場を作り出せるか?を企業は問われているのですから。

 不況で儲からないというのは、考えることを放棄している会社ですよね・・・。

 考えることを放棄しないためには、トートロジーを見つけたら、A=Aは無意味なので、AならばBという関係を探しなさいという指示を出しましょう。

 極論、私たちは、「何か」をすれば、儲かる!の何かを探しなさいということです。

 でも、意外とトートロジーは私たちの周りに当たり前に溢れています。

 シェアードサービス導入への抵抗は大きい。なぜなら、社員は業務のやり方を変えたくないからだ!もほぼトートロジーですね。これ、以前に有名な会社のコンサルタントが言っていました。当然、議論はそこで停止していましたけどね・・・。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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