消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について引き続き考えてみたい。【最終回】
適切な消費者行動の結びつき、適切なマーケティングを実現するためには「ニュートラル・ON-ニュートラル・ON」型のコミュニケーションが欠かせない。
メッセージの送り手が、私利・私欲型となる場合と同様に、メッセージの受け手が、過度に熱狂、あるいは、勘違いして、または、だまされてON・ON型の反応を示すことは中長期的な観点や持続可能なマーケティング活動の観点から考えれば不適切である。
消費者2が素直に欲しいものを消費者1は提供しなければならない。しかし、消費者1が提供しなければならないのは消費者2が「欲しいと言うもの」では必ずしもない。むしろ、消費者1自身が本当に欲しいものかも知れない。
コミュニケーションが重要である。消費者2が欲しいと思うものを理解するのはコミュニケーションの重要な役割である。消費者1が良いと思うものを消費者2に伝えるのもコミュニケーションである。さらに、消費者2の漠然としたニーズを消費者1が提供する製品やサービスと結びつけて具体化するのもコミュニケー
ションの力である。
消費者1と消費者2の心理のニュートラルさは「禅」の思想などにも通じるものだろう。しかし「ニュートラル」な状態を実現するのは、精神修行の問題でも、ましてや、気合の問題でもないようである。「ニュートラル」とは、文字通り、何の余分な力も働かない、中立的な心の状態である。。
「ニュートラル」な心の状態は、特殊な状態でもあるが、一方で、普通で当たりまえの自然な状態である。「ニュートラル」な心の状態を求める人にとっては、精神の作用や気の働きを整えることがニュートラルな心の状態に到達するための有効なプロセスになるのかも知れない。
【V.スピリット No.64より】
V.スピリット総集編4
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