消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について引き続き考えてみたい。
今回は「ON-ニュートラル」型のコミュニケーションについて考えてみたい。これは、情報の発信者である消費者1が消費者2に対して、商品の購入など、ある特定の行動を望み、そのためのメッセージを送ったにも関わらず、消費者2の対応が明確にネガティブなものではなく、中立的になる場合である。この中立的な状況は、1)消費者1のメッセージに好意的なのに行動しない場合、2)消費者1のメッセージに非好意的なのに行動する場合、3)消費者1のメッセージに気付かない場合(気付いても忘れてしまう場合)、4)消費者1がメッセージの受け手となる消費者2(消費者X)を特定できていない場合や特定しようとしていない場合である。
1)のケースについて考えてみたい。
情報の発信者である消費者1は、情報の配信がON・ON型、つまり、私利・私欲型になっている場合は消費者2の対応が「ニュートラル」になりやすいというお話をした(第59回参照)。他にも消費者2の行動が「ニュートラル」になりやすい消費者1の状況がある。それは、消費者1が消費者2へのメッセージの配信を本当は望んでいない場合である。さらには、メッセージの送信先としての消費者2が不適切である場合、あるいは、メッセージの内容が不適切である場合、メッセージの送信方法やコミュニケーションの形態が不適切である場合などを指摘することができる。
このような場合、消費者2は受け取ったメッセージに対して好意的であっても消費者1の希望通りの行動をしない場合がある。つまり、消費者1のOFF・ON型のコミュニケーションに対して消費者2はON・OFFの状態になる。これは全体としてOFF・ON-ON・OFF型のコミュニケーションとなる。
コミュニケーションのタイプには3タイプある。消費者1が消費者2に対して優位である場合、両者が対等な場合、そして、消費者1が消費者2に対して劣位である場合である。消費者1と消費者2の優劣は、知力、能力、経験、年齢、人柄や才能、場合によっては財力などによって決まる。さらに、このような状況が一般的に認知・認識されている場合と消費者2がそのように定義する場合の2通りのパターンがある。消費者1の定義は消費者1がメッセージを送る時点の心理や行動に反映される。
OFF・ON型の消費者1の情報配信に対して消費者2は、消費者1が優位にある場合や消費者1が優位にあると思う場合は、OFF・ON、あるいは、ニュートラル・ONとなって、消費者1の希望に従うことこともある。優劣の格差が非常に大きければ消費者1のOFF・ON型のメッセージに対して消費者2がON・ON型の反応をすることもあるだろう。
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