最近、組織の中でメンタルヘルスに関する関心が高くなってきましたね。私にも、悪化、回復の体験があります。その体験が皆様のお役に立つかはわかりませんが、何かしらの役に立てばいいな、という願いのもと、つらつらと書かせていただきます。
「あいつ辞めさせることにしたから。」
と。えー、あんた面倒見るって言うたやん!と思いましたが、本人から連絡があって、話しをすると、
「これ以上、迷惑をかけても」「そういう結論に」と言うので・・・
別にいますぐ辞めなくてもいいのでない?回復するまで、休職したら?会社規定で休職できる期間はあるだろうけど、その休職期間が終わってから考えれば?と言うと、
「あ、そーですね!」と・・・。おいおい、「躁」の状態か・・・。と思いましたが、休職することになりました。
人事は何をやっていたんだ!と思います?よっぽどの大企業でないと、メンタルヘルスに関して知見のある人事なんてないですよ。その会社は労務担当者が2人、それっぽい担当でしたが。それで何度か電話はしたけど、まあ、上司の判断でやってください、ということでした。
そして、半年間の休職となったんですね・・・
ただ、復帰の時に、当然、人事には復帰日の調整をしていたんですけど、復帰前日に、
「メンタル的に不安定な恐れもありますので、人事のほうに出社にして、産業医の診断を受けてもらいます。それで駄目なら、復帰は先ということにしましょう。」と人事課長から連絡がありました。
私は耳を疑いました。復帰日の調整はしていたじゃないか!明日から復帰で、一応、自分の職場に帰ってくることになってる。本人はそのつもりだし、周りもそのつもり。
それに対して、産業医が診断して、駄目だったら、復帰できないって前日に言う?
まあ、単に仕事のできない人事な人々だったんですけどね。マネジメントが弱い会社の人事部門は骨抜きです。駄目な人ばかりが集まってきます。できるふりをする人がいっぱいです。まあ、ちょっとひどいもの言いですが、そんなもんです。
でも、彼はしっかりと復帰しました。復帰してもなかなか、出社率は高まりませんでしたけどね。
彼は今、しっかりと復帰して、仕事ができているそうです。復帰してから3年ぐらいたってますからね。よかったですね。本当に。
長々と、私が経験したケースを書きました。
この出来事から何が言えるか?メンタルな病に倒れる部下が1人でただけで、周りはオロオロ、人事も意味不明な行動を取る。私も自分の無力感を感じる。
日本人で、常に鬱の人は、2~3%程度。一時的に鬱になる人は、8%~15%程度といわれています。10人以上部下がいて、何年かやっていれば、1人の鬱の部下には出会うということです。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。