2026.07.28
【インサイトナウ編集長対談】シニアの起業を支えるためにビジネスメンターとして支援。産・学・官が連携し、シニアの活躍と社会貢献の両立を目指す「J-SCORE」
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
超高齢社会の日本の中で必要なことは、社会保障よりもシニア自ら行動を起こし、活躍することだと説き、「J-SCORE」というシニアの起業を支援する団体を率いる松井氏にお話しを伺いました。
猪口 支援を受けるためには会員になる必要がありますか。

松井 支援を受けるために必ずしも会員になる必要はありません。ただ、趣旨に賛同する方には入会していただいており、現在、会員数が約150名、支援している方々は約1,000人にのぼります。多くの方とつながるためには、通常のコンサルタントのように成果の出る前からコンサルタント料を請求することはいけないと思っています。
起業支援の一環として、J-SCOREでは無料のパソコン教室を開いています。IT、AIの時代にシニアがパソコンを使えなければ、日本は潰れてしまいます。3回無料で開催して、実際にパソコンを使ってもらい、その後にアンケートを取ります。そして、「パソコンを使えたら面白いでしょう。せっかく習ったのだから、何かに使ってください」とお声がけをします。目的や目標を持ったら人はお金を使うようになりますが、分からなければ使いません。パソコン教室に加え、その後にAI教室を開催し、多くの方に喜ばれています。
猪口 シニアが新たに事業を始めるうえで、どのような考え方が大切でしょうか。
松井 「変化はすべてリスク」であり、だからこそ「時代とともに事業を変える」というのが私の考え方です。以前、電子出版の増加により売上が落ち込んだ出版社がありました。印刷機器を持っていることがその会社の強みだったのですが、市場が縮小しているにもかかわらず、同じ仕事を続けるだけでは、どれだけ努力しても売上は下がっていきます。そこで私は、「あなたの強みは出版することなのだから、今の強みがあるうちに新しい事業を始めましょう」とアドバイスしました。70歳を過ぎると、自分の一生を本に書きたいと考える人が増えることに着目し、85歳以上の顧客を10人集め、AIを使って編集する。あとは会社がすでに持っている表紙づくりや販売のノウハウを組み合わせれば、事業が成立します。その結果、自分の本をつくりたい個人を対象とした事業へと転換を果たしました。
猪口 こうした事業転換を実現するうえで、特に重要な手段は何でしょうか。
松井 最も有効な手段となるのはITです。私自身、40年前からAIを活用してきました。そうした経験から、私はITを活用しない事業は支援しません。ITを使わなければ人件費が増え、これからの時代には勝てないからです。その最たる例が農業と介護事業です。これまで介護業界では、中国や韓国、ベトナムなどから人材を受け入れてきましたが、海外から安価な労働力を集めるのは私が一番嫌いなことで、絶対にやるべきではないと考えています。人手不足を低賃金の労働力で補うのではなく、ITや新しい仕組みの導入をするべきだと思います。
インサイトナウ編集長対談
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