/三世紀の異民族クシャナ朝、五世紀の復古グプタ朝によって、仏教は大きく変わり、中観派、大乗浄土教、密教や華厳宗、瑜伽行派、そして禅宗の端緒など、シッダールタの現実否定的な教えとはまったく違うものへと展開していく。/
「心の外では、何も起こっていない、というのですね」
ところで、五世紀には中央アジアの遊牧民、エフタルが勢力を拡大し、ペルシアのササン朝やインドのグプタ朝を脅かしました。ペルシアは海上貿易を通じて南インドと長く密接な関係にあり、ペルシア人の達磨も、南インドのカラブラ国を渡りました。それはインド原住民ドラヴィダ人の武装国家で、北のアーリア人グプタ朝と敵対し、ヒンズー教に対抗して、仏教とともに、禁欲的で攻撃的なジャイナ教を受け入れていました。それはまた、とりわけ、力動的ヨガとも呼ばれる戦闘的な武術、カラリパヤットを発展させていました。
「達磨はただの観光客ではなく、なにか政治的使命を担っていたのでしょう」
しかし、ササン朝はエフタルの傀儡となり、502年には東ローマ帝国に対して代理戦争をさせられてしまいます。達磨はもはやペルシアには戻らず、中国に渡りました。
達磨が禅を嗤う:唐代の作務行禅 - INSIGHT NOW!プロフェッショナル
純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、東京大学卒、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元テレビ朝日報道局ブレーン
歴史
2023.09.30
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2024.10.21
2024.11.19
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。