少子化問題は突き詰めると「人手不足」「社会を支える資金負担者の不足」「需要不足」の三つに集約される。その根本的な解決には生産年齢人口を増やす以外になく、実質的な移民政策の転換に踏み切るしかないところまで事態は来ている。
今の日本にとっての最大級に深刻な問題とされるのが少子化である。しかし少子化問題はどうして大問題なのか、現在執られている対策と共に少し整理してみたい。問題は主に3つに集約されるのではないか。
1.第一の問題:深刻な人手不足
第一に、深刻な人手不足を招くことだ。人口の多い高齢者層が引退して労働者市場から退出する数に比べ、圧倒的に少ない数の若者しか労働市場に新たに参入してこないためである。
この「人手不足」問題に対する現実的で有効な具体策として既に労働市場で進められてきているのが、高齢者の引退時期を引き延ばすことと、専業主婦(または主夫)ではなく共稼ぎをしてもらうことだ。しかしさらなる改善余地は少なくなっているのが実情である。
高齢者の定年の引き延ばしは既に限界が近くなっている上、定年後の再就職は職種と就業時間が限られるのが現実だ。ずっと専業主婦でいる人たちは今どきかなりの少数派であり、経済的に余裕のある層である証でもあり、やはりさらなる改善期待値は小さい。
むしろこの先労働力増大への貢献をある程度期待できるのは、子育て等のため一時的に離職する人たちの復職を早めてもらうことであり、パート・アルバイトの人たちにより長い時間就業してもらうことである。そのために有効な具体策を政府が早急に用意することが求められる。でもこの対策だけでは、急激に進む少子化による人手不足分を補うにはほど遠いし、職種的にも限られる。
もう一つ主な有効策として打たれてきた手が、システム化・機械化・ロボット利用等による効率化・省力化である。日本は世界有数のロボット技術大国でもあり、生産現場におけるロボット利用や交通機関における自動改札機など自動化が既に進んでおり、今後もある程度の自動化の広がりは期待できる。また、中小企業での遅ればせながらのIT化も今後大いに期待できよう。
しかしさすがにそれらにも限界があり、特にいわゆる「エッセンシャル労働者」や第一次産業および多くのサービス産業の従業者については、最先端のテクノロジーをもってしても経済的合理性の範囲で(つまり闇雲にコストを掛けずに)代替できる割合は意外と低いことが分かっている。
こうした状況を踏まえると、我々の社会を機能させるために必要な働き手を確保するには、高齢者・女性の労働力増大とIT化・機械化・ロボット利用だけでなく、それ以外の大胆な策が欠かせないことが明白だ。
2.第二の問題:社会を支える資金負担者の不足
社会インフラ・制度
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/ 弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/ 代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/