コロナ禍で人の流れが止まり、経済が急激に落ち込み、その後回復するかと思われたものの、事態はそう簡単には治まらなかった。急激に業績を上昇ささた企業と、変わらず低下・縮小を続ける企業に完全に別れてしまい、業績が良い企業はより良く、悪い企業はより悪くなった。 この上昇と下降が両方ある状態を「K字経済」と呼び、ますます企業間の格差が拡大しているようだ。
コロナ禍で人の流れが止まり、経済が急激に落ち込み、その後回復するかと思われたものの、事態はそう簡単には治まらなかった。急激に業績を上昇させた企業と、変わらず低下・縮小を続ける企業に完全に分かれてしまい、業績が良い企業はより良く、悪い企業はより悪くなった。
この上昇と下降が両方ある状態を「K字経済」と呼び、ますます企業間の格差が拡大しているようだ。
業績が下降した企業は、コロナ禍での需要の落ち込みをまともにくらい、おまけに原材料価格の上昇、円安によって利益幅が減り、ますますの苦境に陥っている。逆に急回復した企業はコロナによる人流の減少も落ち着きからコロナ前の業績に戻し、円安も海外への販売がプラスに影響し、収益を伸ばしている。
実際に、2023年度の税収は、69兆4400億円と2022年度の当初予算よりも4兆2050億円上回ると見込まれており、その最大の理由としては、新型コロナで落ち込んだ企業の業績が回復し、法人税の税収の増加が見込まれているという。
独立行政法人労働政策研究・研修機構によれば、業種別に見ると、2019年第四四半期あたりから前年マイナス幅が大きくなったものの、輸送機械製造業を中心に2021年第二四半期あたりから回復しているが、卸・小売や金属製品はマイナス幅をまったく取り返せてはいない状況が見て取れる。
K字型回復が意味すること
このK字型経済(復活)は何を意味するのだろう。
経済が多様化し、複雑化するにつれ、かつてのようなすべてにプラス、すべてにマイナスという社会は、現実にならなくなっているのか。しかも、「業種による」という区分けさえ、もはや最大の要素ではなくなってしまっているのだろうか。
実際に、同じ業界のなかでも、絶好調の企業もあれば、倒産寸前のところもある。当然、構造的な問題で縮小傾向にある業種もあるのは間違いないが、それよりも、状況、環境の変化に対して、対応する力、レジリエンス力、機敏に変化する能力を持つことのほうがより重要なのかもしれないとも思える。
つまり、コロナのせいで「巣ごもり需要が増えた」「リモートワークが増えた」「外食しなくなった」からだと片付けるのは簡単だが、不況業種といわれる業界でも業態チェンジやさまざまな変革で乗り切っている企業もあるということだ。
たとえば紳士服のAOKIは、コロナ禍でもリモートワーク客を取り込む「快活CLUB」は順当に店舗数を伸ばしている。アパレル不況の余波は少なくはないが、少なくとも事業戦略の選択の幅は大きいし、的確な判断も可能だ。
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