2022.07.08
【インサイトナウ編集長鼎談】プロフェッショナルとして、コンセプトペーパー、アクションプラン、オペレーション、すべてが必要(前編)
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
長年、人材開発担当として、企業内で多くの研修を企画運営されてきた富士 翔大郎さんと、ビジネスパートナーとしてお仕事をご一緒されてきたマーケティングコンサルタントの金森努さんと鼎談(前編)をお届けします。特に人材開発担当の方は必読です。
富士 研修では、最後は自分の目で見て研修の効果を確認しますが、アンケートの結果もまとめなければいけません。アンケートは作り方が大事です。受講生に今回学んだことをどう生かすか、これからどうやっていくかを書いてもらうのが1つ目です。指示書のようなアンケートですが、改めて念を押すことで、学んだことを振り返るので、それでも満足度は毎回90%を越えます。2つ目は講師所感で、シビアに書いてもらうようにしています。一般には講師所感と受講生アンケートだけのことが多いですが、私の研修では研修事務局スタッフとしての我々の所感があって、この3つ目が大事です。スタッフは最も研修の狙いを理解していますし、最も受講生と身近なコミュニケーションをとっています。そしてたくさんの質問を聞いていて、細かな情報がわかるからです。もちろん事務局スタッフは毎回反省会を行って、改善に結びつけていきます。だから研修をやればやるほど良くなっていくのです。
猪口 スタッフのスキルアップにも繋がりますね。
富士 研修は最終的に内製化されましたが、講師だけは外部の方に戻しました。講師以外の部分については、われわれ研修企画実施の自称プロフェッショナル軍団が研修をつくり出しています。うちの研修チームは、クレーム(ストレス)ゼロをめざし、毎回前回を超えるために努力していたので、相当レベルが高くなりました。例えば研修会場選びでは、さまざまなチェック項目がありますが、特徴的なのはトイレやエレベーターの利用可能数を把握します。例えば予備のトイレも合わせてチェックして、何秒かかるか計算して休憩時間をシミュレーションします。研修がどれだけ良くなるか、スタッフの中で競い合っているところもあります。私も細かくチェックしますので「富士に負けるな」と、競い合うようにしています。結果的に最初にお話しした、100人育てるという話に近づいてきているわけですね。私がいなくてもうまく回るのは、おそらく私の人材育成への取組みマインドを継承し、育ててくれているスタッフのメンバーのおかげです。受講生と一緒にスタッフみんなも成長できていたこと、そして実際優秀だったということに他なりません。こうして世代を超えて継続し続けていくことで、ようやく人が育つ組織や会社になっていくのだと思います。
後編はこちら⇒【インサイトナウ編集長鼎談】人材育成はマーケティングだ(後編)
富士 翔大郎
主にIT系企業の人材開発コンサルタントを担当。コンシューマ向けの販売からECサイト構築、法人営業まで幅広い分野で営業職を経験。その後、デジタル技術の黎明期から変革期にITエンジニアを約10年経験。同時に人材育成にも携わり、現在に至る。法学部卒ながら教員免許を3種取得。
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インサイトナウ編集長対談
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