多くの企業で65歳まで働くことができるようになり、企業の努力義務とはいえ「70歳就業法」(高年齢者雇用安定法の改正)も施行され、60歳定年時代に比べれば、より長く働けるようになってきたのは事実だ。 企業の努力目標である「70歳就業法」に甘えることなく、70歳までは確実に現役時代と同様に稼ぐことが必要であり、そのためのスキルと能力を維持、あるいは開発する必要があるだろう。
もともとバランススコアカードとは、より多様化、多角的になる背景のなかで、企業のリソースをどのように配分し、重要な戦略を実現できるのかを説いたものだが、このBSCは、個人がこれから生き抜いていくにあたってこそフレームワークとして考えてほしいものだと考えている。
バランススコアカードの構成要素
- ①ファイナンス
まず、どれだけの稼ぎを得たいのかを考えよう。目標値がなければ始まりません。月額100万円なのか、50万なのか、あるいは3年間で2000万円という長期的な計画なのか、得たい結果をひとまず設定する。
ここは、企業のBSCであれば、戦略的な目標として、「売上高や原価率」「営業利益率」「EVA(経済付加価値)」などが設定されることも多いが、個人の場合、まずはいくら稼ぎたいのかを設定する。
- ②顧客の得る価値
問題はここだろう。要するに、あなたにお金を出してくれるのは誰か(どの企業か)、そして、その人(企業)が、どのような状態になれば、あなたにお金を支払ってくれるのかを考える。
いま勤めている会社が顧客になると考えるのならば、会社の業績に大きく貢献する必要があるわけで、その計画をもとに、経営陣と交渉することになるだろう。
そうではなく、別の顧客を見つけ、その企業に購入される商品やサービスを見つけていくのであれば、彼らが求めているものを定義しなければならない。
まだまったくイメージができないのならば、これまでお世話になった人や企業と改めて面談し、自分の思いを伝えることから始めなければならないだろう。とにかく、企業から言われるままになるのが不服ならば、対価を払う人を探さなければならない。
- ③バリューチェーン
若くて体力もあり、馬力で勝負するなら、一人で何かを生み出すことにチャレンジすることも可能かもしれないが、経験を積んだ今なら、顧客が満足する状態をつくるために、ひとりで何を生み出せるかではなく、ネットワークや人脈を駆使してバリューチェーンをどうつくるかを考えたい。
ひとりでできることには限界があり、まともな競争を避ける意味でも、プロセスとしてのオリジナリティを作り上げたい。
どれだけあなたに力を貸してくれる仲間がいるかどうかも、スキル・能力のひとつであることは間違いなく、何十年も経験を積んできたからこそあるネットワークがあるはず。あるいは、志を同じくして、仲間を募っている人もいるかもしれない。
- ④学習・能力開発
顧客に新たな価値を提供するには、いまの段階で不足しているスキルや技術があるかもしれない。できないと諦めるのではなく、むしろ多角的に取り組んでほしい。
繰り返しになるが、いまあなたが50歳~60歳として、10年前よりも、できること、成果を上げる総合的な能力は、むしろ高まっているはずだ。
その能力を整理し、改めて形づくることができれば、こんなに頼もしい武器はないだろう。
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セルフブランディング
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