コールセンターから代理店勤務を経て独立後、「マーケティングの全体像」の重要さに気づき、独自のアプローチでマーケティングを体系化。コロナ禍の厳しさも乗り越え、コンサルタントとして活躍する金森努さんに、ビジネスパーソンとして成長するためのマーケティングの必要性をうかがいました。 (聞き手:猪口真)
僕がだいぶ前から言っていることなのですが、ビジネスパーソンは「読み書きそろばんマーケティング」です。
情報を集めて、頭のなかに「引き出し」を作って、整理・収納する。そしてフレームワークで考える。
猪口 コンサルタントとして独立をされて、そしてマーケティングに関する書籍を何冊も出版されています。誰もができることではありませんが、独立を機に、ご自身のドメインをどうするか、一から俯瞰的に見られたわけでね。
金森 ずっと会社員をしていたら見直すこともしなかったでしょうし、自分がマーケティングの隅っこのところからしかものを見てないことにも気づいてなかったかもしれません。
独立後はブログを毎日書き、そのうち問い合わせもきて、その中には広告屋の知識では対応しきれない商品企画や売れていない商品のテコ入れもありました。テコ入れであればプロモーション的なアプローチだけでいくこともできたかもしれません。しかし、それでは絶対に成果は上がらず、その業務は続かないでしょう。根本的な解決をするためには自分の知識ではだめで、やはり学び直さなければならないと思いました。それが一つです。
もう一つは、自分の中のマーケティングは端っこら見ていたものだったので、俯瞰的に見る必要があり、マーケティングの全体像はどうなっているのだろうと考えました。その時、コトラー先生の本を読んで流れが分かったことが、全部のベースとなっています。
猪口 金森さんはコトラーで勉強されたわけですが、一つ上にいきたい人たちに対して、どのようなアプローチをすれば、マーケティング的なセンスが身につき、成長につながるのかといったアドバイスはありますか。
金森 自分自身のアンテナを高く張って、世の中の何にでも興味を持って情報をキャッチすることが何より必要でしょう。
いつもコンビニに行くなら、いつも買う商品の棚だけでなく、店全体の棚を観察してみる。いつもと違うチェーンのコンビニに行ってみて、同じように店内を全部見てみる。また、自分が入ったお店や手に取った商品を、「もっとこうすれば繁盛する、売れるのに」と改善案を考えてみること。もう一つ。話の中で、自分の知らないモノやコトが出てきたら、「知っているふり」をせず、詳しく聞くようにすることです。そして、相手はどう思っているのかという所まで訊き出してください。
こういうことを続けていると、かなりの情報が集まりますので、頭の中に「引き出し」を作って、整理・収納しておくようにしてください。マーケティングでは「フレームワーク」という、「考えるための枠組み(道具)」を使いますが、そこに入れるべき情報がなければ、「フレームワーク」は、「ただの箱」でしかありません。頭の中の引き出しにしまってある「情報=ネタ」の数が勝負です。それを「フレームワーク」を使って、どう考えればいいかは、私の本を読んでください。(笑)
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インサイトナウ編集長対談
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