ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
仕事をする過程で、自分の大事なものを増やしていく、優先順位を変えていく、そして見える世界が広がってくる、変わってくる。これが成長なのです。これまでの価値観で適職を選ぶって、あなたは成長しないつもりなのでしょうか?
就職して自分のやりたいことがやれないから、自分の価値観と合わないから辞めるといった人も増えているようですが、これは成長の放棄ですよね。経験を通じて価値観を変えていく。これが成長です。自分が思ったことと違うことをやってみて、一旦それに合わせてみる。それが成長をもたらすのです。程度問題ではあるにせよ、自分の価値観が完全に固定化されているかのような物言いが目立つように思います。
自分の価値観を固定化し、それに合わないものを排除していくのが、果たして大人と言えるでしょうか?
このあたりがわかるようになると、他人が世界にいて、その人たちは自分たちと違う物事が見えていて、行動が違っていて、マーケットの動きを読むのは実は難しいということがよくわかってきます。そして、我田引水をしている自分にも自覚的になってきます。また、他者への敬意を少しずつ持つことができるようになってきます。つまり、大人になるということですね。
余談ですが、このことに気づくには恋愛が一番ではないかと私は思います。恋愛とは他人と相互理解をしようとする数少ない機会です。彼女は何を考えているのだろう?今は何をやっているのだろう?どんな景色を見ているのだろう?それが自分と違うことが出来事を経るたびに実感できます。
一緒に暮らしていれば似てくるとも言われていますが、恋愛の初期には、価値観のぶつかりあいも起こるでしょう。そういった恋愛経験を経ていると、この段階を越えるのも、すんなり行く面があると思います。
では、次は仮説思考の高校生に移ります。
施策のアイデアとマーケットの因果関係について認識することができる。でも、現象面の分析に留まり、深層まではわからないという状態です。
ここを越えるにはどうすればいいのでしょうか?
私も悩みましたし、悩んでいる部下も見てきました。どうすればマーケットの深層の因果関係を感じられるようになるのだろう、と。未だ数字になっていない部分を感じ取る能力。それはどう身につければいいのか?
この段階で患う2つの病を見ていて気づいた面があります。ああそうか、と。この2つの病を統合すればいいんだ!と。
私が見てきた人たちで、どういう人がいたかといいいますと、なんでも特定の社会現象で説明してマーケットはこうだと言ってしまう人がいたのです。会議で見かけませんか?
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。