ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
これまで述べてきたようなことは、関係者もうすうす感じていると思います。「ロジカルシンキング」は確かに普及してきたが、あまり使えないのではないか?と。
若い世代、2010年代以降に就職したビジネスパーソンにとって、ロジカルシンキングはある意味で必須スキルと喧伝されていました。そして、就職時にも、どのような内容であったにせよ、「ロジカルシンキング」と名前がついた研修を受けたと思います。
しかし、この若い世代の「ロジカルシンキング」がどうもおかしい、と感じている中堅ビジネスパーソンは多いと思います。
若手ビジネスパーソンは「口ではまっとうそうなことを言うのだが、何だか薄っぺらい」と思える。
ただ、中堅以上の社員はあまり言葉の扱いに慣れていないためか、彼らをうまく納得させられない。若手にしてみれば、なにか丸め込まれているような気がする。タヌキおやじが経験論、精神論を語っているように見える。
ある意味で、不毛な「世代間対立」が起こっているように思います。これは由々しき問題です。
確かに、今の若手ビジネスパーソンは勉強熱心です。ビジネス書もいろいろと読んでいるし、いろいろな人に話を聞いて知識も豊富ではあります。でも、肝心のところが抜け落ちている。
たとえば、「仕組み」をテーマにした仕事術本のブームが「ロジカルシンキング」ブームの後にあったように思います。
その頃、とある経営者に聞いた、「若手ビジネスパーソンの痛い話」がありました。
とある若者が独立したそうで、「こんなマーケティングパッケージを作りました。御社の顧客のメリットになるので、ぜひ、御社の顧客リストに告知させてください。このWin-Win仕組みで、弊社と御社はともに繁栄すると思います!」と言われたそうです。
その経営者は「頑張ってください」とだけ言って、帰っていただいたそうです。
また、とある若い女性グループが、「いろいろと売りたい。売って生活の足しにしたい」という話があったそうです。それで、その女性グループにいろいろアドバイスする立場になったコンサルタントがいました。
そのコンサルタントは、「とりあえずこんな感じでやってみよう」と案を作って、売ってみよう、ということになりました。
すると、その女性は「対面で売るなんてダサい。今はネットで仕組みを作れば売れる!」と主張し「いろいろと仕組みを作ってマーケティングをやる!」と言い出したそうです。
結果としては、全然売れずに終わったそうです。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。