ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
仮説思考の大学生になった後は、ビジネスパーソンはすくすくと成長していきます。おそらく、活躍の場が増えて楽しい。そして、仮説思考の大学生になると、企画実務においてこれまでとは違った行動を取るようになることが多くなります。
結局、マーケットにおける仮説と、解の仮説が一つの系として捉えられるようになってくるので、なんでもいいので、使える情報が欲しい。仮の結論も早く欲しい。
そうすると、現場をやたらと見に行くようになったり、考えている業界歴が長い知人に、こういうケースだったらとりあえず何をする?と聞いてみる。そうすると、「こんなことや、こんなことするかな。こんなことも考えるかな」という答えが返ってくる。
そうしたら、もう、それを仮の結論として置いてしまう。
すると、いくつかの情報だけで全体観がわかってきてしまうのです。系として仮説のつらなりを捉えることができているので、おそらく、こういう枠組みで答えが出てきそうだ、とわかってしまう。
当然、検討が進むにつれて、仮説は棄却され、進化していき、当初、知人が言っていたこととはかけ離れた解決策になっていきます。
そして、現場で見たことが、その全体の体系の輪郭をはっきりさせたり、重要なポイントをつかむことのヒントになっていく。こうなってくると企画の作業、分析の作業が非常に面白くなってきます。
そして、系として捉えられる。全体観がある企画ができるので、多少難しそうなことでも、器用にまとめられるようになります。
コンサルティングテクニック本には「全体観をもって考えよう」というフレーズがよく書いてあります。でもね、マーケットにおける因果関係仮説と、実際のデータのつながりと、自社のアクションのつながりがイメージできない人に、全体観を持とうと言っても、意味はないと思うのです。
先に見た、マクロ病、ミクロ病などを経ていないと、とてもじゃないけど全体観を持って考えることは不可能ではないでしょうか?
マクロ、ミクロ病を経て、マーケットの全体観が捉えられる。数値化されているものと、まだ数値になっていないものの違いもわかる。そして、そこにどのような施策を打てば、どのような変化が起こるかもある程度見える。ここまで来れば、相当できる企画マンです。
でもね、最大の難関が待ち構えている。それは、経営者です。
このレベルまで順調に育ってきた企画マンならば、社長にプレゼンすることも多いでしょう。副社長まで全員OKを取るような企画も作れるかもしれません。しかし社長にひっくり返される。
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ロジカルシンキングを越えて
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。