事業成長のポイントを意識してサービス向上に取り組むのと、ただ闇雲に取り組むのとでは、成果に大きな差がつきます。お客様に喜んでいただくことのその先に、事業成長に繋がる成果を見据えた組み立てをすることが大切です。
プロセスモデルにドッキングする
今回ご紹介したように、サービス向上を事業成長に結びつけることは極めて重要です。そこで、これらの観点をサービスの設計に盛り込んで、組織一丸となって体現することが重要です。そこで効果的なのが、以前ご紹介したサービスプロセスモデルに経営貢献の観点を追加して、サービスを設計することです。
具体的には、サービスプロセスのモデル化をする際に、どのプロセスが「サービスを受けたいと思っていただく」「再度サービスを受けたいと思っていただく」「サービスを誰かに勧めたいと思っていただく」のいずれかに強力に結びつくかを明記します。これをすることで、たくさんあるサービスプロセスの中で、特にどのプロセスに注力することで、事業成長に直結するサービス向上が進められるかがハッキリします。サービスの現場は常に忙しさとの戦いなので、すべてのプロセスを今まで以上に頑張れと言われても、できないことが多いと思います。「努力のポイント」と「やらなくて良いこと」のメリハリあるサービスを設計することが大切だと思います。
さて、今回ご紹介した4つのポイント「サービスを受けたいと思っていただく」「サービスで喜んでいただく」「リピートしたいと思っていただく」「誰かに勧めたいと思っていただく」について、もし今までこういった視点で議論や取り組みがされていなければ、むしろそこに伸び代があると捉えて、是非実務に活かしていただけたら幸いです。
service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
2017.05.09
2017.05.16
2017.05.23
2017.05.30
2017.06.06
2017.06.13
2017.06.20
2017.06.27
2017.07.04
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新