「サービスの定義」を理解することで浮かび上がってきた「事前期待」の重要性。とはいえ、「事前期待に応えよう」と言われても、きれいごとにしか聞こえないものです。「事前期待」とは一体どんなものなのかをロジカルに理解することで、事前期待を掴み、それに応えるための努力のポイントを明らかにしたいと思います。
ここで、共通的な事前期待に応えるための努力のポイントで挙げた「マニュアルやチェックリスト」をいくら整備しても、実はあまり効果的ではありません。一律サービスでは、1人1人で異なる個別的な事前期待には応えることはできないからです。
そこで有効なのが「顧客カード」や「顧客データベース」を整備して、現場で活用することです。既に顧客データベースを持っていても、顧客との接点で活用されていなかったり、顧客データの内容が年齢や住所などの属性情報しかなくて事前期待に関する情報が共有されていない場合は要注意です。「サービスはお客様と一緒につくるもの。」サービスの現場で顧客情報が役に立たっていなければ意味がないですよね。
実はこの「個別的な事前期待」に応えると、我々が思っている以上にお客様に感激して頂けます。自分のことを覚えてくれている。自分の好みを知ってくれている。他のお客さんとは違う要望に快く対応してくれた。個別的な事前期待に応えるだけでも、十分に感動サービスは実現できるのです。是非、明日からでも、実際にお客様の個別的な事前期待にアンテナを高く張って、それを掴んで応えてみてください。きっとお客様からの評価がグッと高まるのではと思います。
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service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新