3/1から経団連申合せによる、新卒学生の広報活動が解禁となりました。「空前の売り手市場」と呼ばれる激しい学生争奪戦が繰り広げられる、今年の就活状況をみてみましょう。
1.どんどん早くなる就活
大学と財界の合意である経団連申合せにより、3/1広報解禁、6/1採用解禁というスケジュールが決められました。ちなみに安倍首相肝いりで就活早期化に待ったをかけた2016年のみ、8/1採用解禁という変則日程は、あまりの混乱と不評さから1年で終了し、現在の3/1・6/1でやっと定着を見ています。
しかしながら就活早期化には反対しながらインターンシップは促進するというダブルスタンダード推進によって、実際には「インターンとさえ名乗っておけば何でもアリ」という状態が現在の就職活動です。
結果として採用はチキンゲーム化し、他より少しでも先に良い学生を採りたいということで、早ければ3年次の夏くらいからインターンシップと称する囲い込みを行う企業もあります。結果として、3/1・6/1はそれぞれ実質前倒しとなり、3/1は「広報活動しながらも学生を選別するスタート日」、6/1は理論上「その日に選考してその日に内定を出す日」となりました。
「内定」という言葉を使わずにさらに先行する企業も少なくなく、3/1を迎える前に「内」内々定を得た学生も出ています、それも超上位校だけでなく。とはいえ、国公立大学中心に、大学側は3/1を墨守する傾向があり、結果としてどれだけ企業が焦って前倒ししても、すべての採用充足ができる訳ではなく、3/1はやはり実質的には就活解禁と呼べるのが現在の状況でしょう。
2.学生はどう動く?
私は今年度、3つの大学で通年のキャリア講座を担当し、また並行して単発のキャリアセミナーなどをいろいろな大学で行っています。現在進行形ですが他にも、就活情報会社のイベントや説明会の基調講演なども10ヵ所以上で行っており、学生の動きは全体的に緩やかだと感じています。
いち早く準備や対応を進めている上位校の一握りの学生以外、上位であれ中堅であれ偏差値序列にはあまり関係なく、採用環境の良さから安心感を持っているのではないでしょうか。
これは「売り手市場」であることを認識しているというより、(それもあるにしても)むしろ2018卒就活の先輩、現学部4年/修士2年から「楽だった」とか「一人で内定いくつも獲った」などの成功談を聞いているからではないかと感じます。
確かに企業の採用意欲はかつてないほど高く、人手不足状況は現在も続いています。ただし、バブル採用と異なるのは、「良い人材」に対する採用意欲が高いという点です。学生なら誰でもという企業ばかりという訳ではないことを認識していない学生は少なくありません。
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2018.05.29
2009.02.10
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。