3/1から経団連申合せによる、新卒学生の広報活動が解禁となりました。「空前の売り手市場」と呼ばれる激しい学生争奪戦が繰り広げられる、今年の就活状況をみてみましょう。
一方全体的に自己肯定感が低く、自信を持てない学生が全国的に多い世代です。いくら景気が良くとも、それは油断しているのではなく、単に自分から行動することが出来ずに結果として、動きが鈍っているという面もあるだろうと思います。
3.学生を呼び込む基本
3/1前から、「キャリアセミナー」や「OB報告会」などのように名を変え、各大学などで実施されている合同企業説明会。私が講演に呼ばれた場合は必ず知名度の低い、B2B系企業を具体例に挙げ、実際に説明ブース訪問を促します。重要な点は、学生に訪問先選択を任せず、積極的に介入して無理にでも訪問を促すことだと思います。
企業のどこを見て、何をコミュニケーションすべきかというところまでガイドすることで、合同説明会の成果も確実に上がります。自然の流れに任せたりせず、学生の自由意思や希望ではなく、何らかのガイドをしなければ、テレビCMもない、知名度もない企業には人が集まりません。つまり呼び込むための仕掛けが欠かせないのです。
就活イベントなどではクオカードプレゼントやスタンプラリー式に回遊を促すことも多いのですが、そうしたニンジンで釣る方式より、少なくとも就職という人生の一大事に臨んでいる学生ですから、きちんとした情報提供こそが正統かつ効果的だといえます。
基調講演を個別説明前に行い、このような企業の見方や企業との接し方を教授するのは確実に効果が出ています。有名人など客寄せゲストを呼んでもブース回遊には効果は期待できません。むしろ学生への情報提供と説得力こそ即座に効果が出るといえます。
企業側は変に学生に迎合して、クサいものにフタするようなきれいごとのみの説明にせず、リアルな良いことも悪いことも情報開示することで信頼感が得られます。特にネガティブな情報を上手に伝えるコミュニケーション能力は、企業説明会では欠かせないでしょう。
自然ではなく、意図的なガイドと、説得力ある説明の両輪によって、知名度の低い企業も十分人材獲得の可能性はあります。焦って強引な囲い込みをしたところで、恐らく今の学生は逃げるでしょう。それも無断辞退のような最悪な形を取る学生もいるだろうと思います。地道に誠実に、説明を通じて学生のファン作りをしていくことは結局最も確実な採用実現になると思います。
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2018.05.29
2009.02.10
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。