経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
ただ、社内をいじらなくて済むというか、社内の人が批判的に受け取らなくて済むという意味で、外部環境分析からやった方が楽は楽ですよね。事業の外部環境をSCP的に見てみる。どういう競争をどういう固定化された構造によってせざるを得ないのか、自社のポジショニングを特徴づける戦略変数と戦略変数におけるトレードオフ選択は何なのか?ぐらいを明らかにするところから始める。
すると、価値が定義できますから、その価値に対して当社はどのようなプロセス、バリューチェーンでやっているのかがわかる。バリューチェーンを中心として関係者と関係者間のヒト、モノ、カネ、情報のやり取りを明らかにしてビジネスモデルを書いてみてもいいでしょう。
そこから、派生的にブルーオーシャン戦略のように戦略キャンパスを書いてみてもいい。どのような機能、プロセスが顧客が求めることからずれ始めているのか、それともコアとしてあり続けているのか、マージナルに効いているのか。
その上で、内部のプロセス、ケイパビリティを競合のプロセスと比較して、内部の分析に入っていく。
比較の変数としては、VRIOでいいですが、自社のプロセスに組み込まれている時点でも、ブルーオーシャン的な検討をしている時点でも、Vがあることは自明ですから、希少性と模倣困難性、プロセスの組織的実行能力の3つの軸で構いません。要は競合間で似ているはずのプロセス全体のどこが同じでどこが違うか?を明らかにするだけです。いい違いとしての自社ケイパビリティの模倣困難性や希少性、高いプロセス実行能力があり、悪い違いとして他社ケイパビリティの模倣困難性や希少性、高い実行能力があります。
当然、トレードオフ選択であるならば、模倣困難ではあるわけですけどね。都合よくいいとこどりができない現象が模倣困難性を生んでいることの認識は必要でしょう。ただ、厳密にやっていくときついですので、アバウトでも構いません。
時には、プロセスクオリティを上げようというQCサークル的活動は現場レベルでやってもいいですし、競争優位や価値に対して大きく効くという認識なら、経営層からの強い推奨でやってもいいとは思います。というか、この経営層からの強い推奨でやるケイパビリティ強化が戦略的な業務改革なわけです。ポーター的には業務効率化は戦略ではないという面もあるわけですが、プロセスクオリティを上げられる、つまり費用対効果があるならやればいいですよね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。