経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
ポーターは競合分析は競合の今後の動きを予測し、競争の落としどころを理解しあい、高い収益を分け合うために必要だと考えており、競合の①現在の戦略、②ケイパビリティ、③抱いている仮説、④将来の目標、の4つの要素を分析すべしと主張している。
こんにちは。伊藤です。久しぶりに書いているのでテンションをよく覚えていません。どんなふうにここに書いていたのかを思い出すためにこのシリーズを読み直してみたのですが、いろいろと詳しく書きすぎている記事もあれば、手を抜いているものもあって、どうしたもんだろうと思いました。分かりやすくし過ぎても役に立ちませんし、難しすぎても役に立たないですからね・・・。
さて、今日はポーターの1980年の「競争の戦略」より競合分析を解説しようと思います。
ファイブフォースは以前に解説したと思います。5つのフォースで業界の構造を分析して収益性を考えるというやつでしたね。そのフォースの1つに業界内競争というものがあります。英語だとIndustry Competitors、日本語では業界の競合と書いてあるやつです。フォースとしてはRivalry among Existing firmsと書いてありますね。企業間の競争関係ぐらいに訳すのがいいでしょうか。
それでね、ポーターは「競合を分析して競合の反応プロフィールを作れ」と言っています。
要は、競合の未来の行動を予測するために、過去の反応も見て、未来の反応も考えるというのが、分析の目的になります。ポーターは分析目的も細かくブレイクダウンしていて、4つの要素を挙げています。
・競合は現在のポジションに満足しているか?
・競合は今後どんな動きを見せ、どんな戦略変更を行うか?
・競合の弱点は何か?
・競合のリベンジが最大になり、最も効果的に展開されるのは、当社がどんな行動をおこしたときか?
とった細かな分析目標を挙げています。この4つの問いに答えるために分析をするのです。そのために見て行く競合の要素をまた4つ挙げています。いちいち細かいですね。
その4つの要素とは、①現在の戦略、②ケイパビリティ、③抱いている仮説、④将来の目標の4つです。
それでね、ポーターは普通の競合分析は現在の戦略とケイパビリティに偏り過ぎだと主張します。
確かに、今どんな戦略なのか、それを実行するケイパビリティはどうなっているのか?というのは割と競合分析の資料でも見ますよね。
しかしね、その戦略のもとになっている抱いている仮説やら将来の目標といったことの分析が足りないと、結局、よく分からないことになる、と。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。