経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
ただ、ここに論理的な苦しさがややある。バリューシステムにおいて、それぞれのバリューチェーンがバリューとして設定していることは違うわけですし、一連の価値の連鎖であるはずのバリューチェーンの1つのプロセスはバリューの一部としての共通性ではなく、機能の共通性からシナジーを生みます。
だから、バリューシステムという考え方はやや苦しいのではないか?と。
普通にプロセスと「ケイパビリティ」という規定の仕方で、プロセスを機能生産過程として捉えていいのではないか?という疑問が湧くわけです。
だから、ケイパビリティでいいと思うわけです。バリューチェーンは事業戦略では、ブルーオーシャン戦略のように価値に効いているプロセスを考えるという意味ですごく使えますが、バリューシステムとして全社の業務システム群を捉える意味はさほどないと思うわけです。
まあ、本当に価値の量化ができて、便益とプロセスコストが測定できるなら、そのプロセスの全社収益への寄与の度合いと事業における寄与の度合いが見えて、事業単体の意思決定でプロセスをカットしてはいけないといった意思決定も可能なのですが、そこは今日は置いておきましょう。
そうすると、多角化やらシナジーやらは素直にケイパビリティと業務プロセスをベースに考えた方が楽ですよね・・・。マッキンゼーの好きなビジネスシステムでもいい。
こう考えていくと、戦略策定プロセスはSCP的な外部環境分析の考え方で事業戦略における競争ルール、戦略変数、自社のポジショニング、競争優位の源泉を静的に分析した上で、競争優位の源泉とその周囲のプロセスをコアなケイパビリティを醸成するプロセスとして捉え、それを活かせる機会や対処すべき脅威を考えていくということになります。
膨大ですよね。事業戦略、全社戦略、コア事業定義、コアプロセス定義、業務改革、マーケティング戦略等を含みます。最近は機会認識とブランディングに対してビジョン策定が必須となってきているのでこれらの分析の前提としてビジョンがあり、ビジョンと価値の関係を明らかにするプロセスも前提となっています。
というようなことをやっていると、プロジェクトは永遠に終わらず、次フェーズ、次フェーズとやっているうちに、数年がたち、中期経営計画の更新の時期がやってくるというお仕事サイクルになってきますね・・・。
どこからどう手をつけてもいいのですが、全体観としてはこんな感じです。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。